イケメン枠とお笑い枠とマスコット枠? 『スカーレット』林遣都の汎用性の高さ
ちなみに、『スカーレット』での信作は、いわゆる朝ドラの異性の幼馴染ポジションだけでなく、もう一つ重要な役割を担っている。それは、信楽での「お笑い」パートだ。大阪編では、水野美紀、三林京子、溝端淳平、羽野晶紀、木本武宏など、「荒木荘」の人々が楽しくイキイキとしていて実に魅力的だった。それだけに、信楽に戻り、寂しさや空虚感を覚えた視聴者は多かったろう。その穴を埋めるのは、川原家ではなく、信作を中心とした大野家である。
『まんぷく』では、シリアスとコミカルのバランスが実に秀逸で、展開がシリアスになると「缶詰の野呂さん」や「白馬の歯医者さん」、「武士の娘」が活躍したりと、笑いを提供してくれた。『スカーレット』の信楽部分ではその役割が信作で、彼が登場するだけで笑いが起きたり、画面が華やかになったりする。
「イケメン」枠と「お笑い」枠と「マスコット」枠も担っていそうな林遣都。その汎用性の高さは注目に値するものだ。
■田幸和歌子
出版社、広告制作会社を経てフリーランスのライターに。主な著書に『KinKiKids おわりなき道』『Hey!Say!JUMP 9つのトビラが開くとき』(ともにアールズ出版)、『大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた』(太田出版)などがある。
■放送情報
NHK連続テレビ小説『スカーレット』
NHK総合にて、2019年9月30日(月)〜2020年3月放送予定
出演:戸田恵梨香、北村一輝、富田靖子、林遣都、松下洸平、福田麻由子、マギー、財前直見ほか
脚本:水橋文美江
制作統括:内田ゆき
プロデューサー:長谷知記
演出:中島由貴、佐藤譲
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/scarlet/