ゲームが可能した、言葉を超えた恋愛描写 ラブストーリーとして観たい『ハイスコアガール』 

 押切蓮介の漫画『ハイスコアガール』(スクウェア・エニックス)を原作とする『ハイスコアガール ll 』は『ストリートファイターll』(以下、『スト ll 』)を筆頭とする90年代のゲームネタが散りばめられたノスタルジックなアニメであると同時に優れた恋愛劇である。

 1991年、小学6年生のハルオこと矢口春雄は、ゲームセンターで『スト ll 』をプレイする同級生の大野晶と出会う。財閥のお嬢様で成績優秀な大野さんは、クラスメイトから慕われていたが、どこか孤立しているように見えた。勉強もスポーツもできない劣等生のハルオにとって、大野さんは自分が輝ける聖域であるゲームセンターを荒らすライバルだったが、大野さんにとってのハルオは、習い事ばかりの忙しない毎日の中でゲームセンターだけが息抜きの場所であった自分と遊んでくれる唯一の存在だった。

 大野さんは無口で喋らないのだが、ちょっとした表情の変化や息遣いによって彼女がハルオのことをどう思っているのかが、じわじわと伝わってくる。対してハルオはゲームのことしか頭にないバカな男の子。

 ゲームを題材にしたイギリス映画『小さな恋のメロディ』とでも言うような幸福な小学生時代を過ごす二人。しかし、大野さんはアメリカで暮すことになり、二人は離れ離れになってしまう。

 それから二年後の1993年。中学2年生となったハルオは、大野さんと再会する日のために『スト ll 』の特訓に励む日々を送っていた。

 そんなハルオの前に、日高小春が現れる。熱中できるものが何もない日々を送っていた小春は、ゲームに没頭する同級生のハルオのことが気になっていた。ある日、日直として、反省文を書くために放課後に居残りを命じられたハルオを待っていた小春は、帰り時間が遅れたため、吹雪に巻き込まれてしまう。

 傘がないため困っていた小春はハルオに誘われて、はじめて駄菓子屋に足を踏み入れる。雪が止むまで駄菓子屋にある筐体で『スト ll ダッシュ』(ストリートファイターll’ -CHAMPION EDITION-)をプレイした小春はハルオと仲良くなり同時にゲームにも興味を持つ。

 実家の酒屋にゲームが置かれたことを話したら小春の家に通うようになったハルオの姿をみているうちに、どんどんハルオのことを好きになっていく小春。しかし、ゲームにしか興味がない鈍感なハルオは小春の気持ちに気づかない。

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「アニメシーン分析」の最新記事

もっとみる