宮野真守は、ヒロイン役の花澤香菜を「不幸にしがち」? 『HUMAN LOST 人間失格』での関係性を明かす
今作は、声優の台詞を先に収録する“プレスコ”が用いられ、収録現場にアニメーション監督が参加。表情も含め、実際の声優陣の芝居をそのままアニメにするようなイメージで制作された。宮野は「ちょっとした心の機微がちゃんと表現できるように、どんな些細な感情でも声にのるように」との思いで収録に臨んだといい、「そこを汲み取ってもらえるのは嬉しい」と興奮気味。また「原案の葉蔵の、鬱屈とした悩みは大事にして演じようと思った。偉大な原案があるからこそ構築しやすかった」と回顧した。
さらに宮野は「他の声優陣のお芝居も本当に素晴らしかった」と語り、「冒頭の福山(潤)さんの暴走といったらない。イケイケやらせたら右に出る者はない」。続けて「こんな言い方したら悪いけど……“絶対に悪いじゃん、櫻井(孝宏)さん!”、“櫻井さんのメガネ、絶対悪いヤツじゃん!”みたいな」と、両声優をハマリ役と称賛。一方、ヒロイン役の花澤(香菜)について「僕と香菜ちゃんが主人公とヒロインという立ち位置になると、彼女(の役が)絶対不幸になるんですよ」と明かすと、会場は大爆笑。宮野は「不幸にしがちなところがあるので、今回どうなるのか観てほしい」と笑顔で呼びかけた。
なお昭和111年を舞台とする本作では、120歳になって人間を“合格”すると、年金1億円が支給されるという設定。もし現代にその制度があったら、というテーマに話が及ぶと、宮野は「年金1億円欲しーいっ! 合格したいと思います」と“人間合格”宣言。映画では“19時間労働政策”が描かれていることから、「一日19時間アフレコは嫌だなぁ」と言いつつも、「喉がバンッて(悪く)なっても、(医療によって)すぐに治るんでしょ? そうなったら僕、やりそうで怖いですけど」と苦笑いしていた。
最後に宮野は「海外の人に観てもらったとき、日本の文化としてアニメーションがこんなに尊重されていて、求められていて、認められているんだと感じました。そこに日本の文学や、わびさびを注ぎ込むことで、文化として伝えられることがたくさんあると思う。僕もお芝居で感じとってもらえるように、魂を注ぎ込んだ」とアピール。木崎は「誰も想像していない方向に物語が展開していく。エンターテインメント作品として、喜んでもらえるところを目指した」と自信を見せ、舞台挨拶を締めくくった。
(取材・文=nakamura omame)
※大庭葉蔵の「蔵」は旧字体が正式表記。
※木崎文智の「崎」は「たつさき」が正式表記。
■公開情報
『HUMAN LOST 人間失格』
全国公開中
声の出演:宮野真守、花澤香菜、櫻井孝宏、福山潤、松田健一郎、小山力也、沢城みゆき、千菅春香
原案:太宰治『人間失格』より
スーパーバイザー:本広克行
監督:木崎文智
ストーリー原案・脚本:冲方丁
キャラクターデザイン:コザキユースケ
コンセプトアート:富安健一郎(INEI)
アニメーション制作:ポリゴン・ピクチュアズ
企画・プロデュース:MAGNET/スロウカーブ
配給:東宝映像事業部
(c)2019 HUMAN LOST Project
公式サイト:human-lost.jp
公式Twitter:@HUMANLOST_PR