『いだてん』第44回、演出の裏側を大根仁が語る 「こういう回だからこそ“笑い”を大切にしようと」

『いだてん』第44回、演出の裏側を大根仁が語る 「こういう回だからこそ“笑い”を大切にしようと」

 毎週日曜日に放送されている大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~』(NHK総合)。本日放送された第44回「ぼくたちの失敗」の演出を担当した大根仁より、コメントが寄せられた。

 宮藤官九郎のオリジナル脚本をもとにした『いだてん』は、昭和39年の東京オリンピックまでの半世紀にわたる日本とオリンピックとの関わりを描くドラマ。本日放送の第44回では、川島(浅野忠信)の画策により、田畑(阿部サダヲ)が窮地に追い込まれる模様が描かれた。

 第44回の演出について、大根は「大河ドラマ終盤における主人公(または主要人物)の失敗や失脚を描く回は、ドラマを観続けてきた視聴者にとっては、重くて受け入れがたいですよね。大好きなキャラクターの落胆する姿に涙した経験は僕にもあります。だからというわけではありませんが、こういう回だからこそ“笑い”を大切にしようと思いました。辞任を言い渡される会議室シーンは画質も演技も重く、辞任会見シーンはウェットに演出しつつも、どこかまーちゃんらしさというか、田畑の天然っぽさみたいなものを出して、泣きつつも笑っちゃう“喜怒哀楽の隙間”のような感情を、観ている人に持たせたいなと。『いいかい?』というセリフが肝なのではないかと思い、脚本にあった『いいかい?』よりかなり多めに付け加えました」と、その裏側を明かす。

 何回も「いいかい?」を言ったことで阿部も演技のバリエーションが尽きたそうで、「最後はカメラ目線で「いいかい?」と言っていて、その時モニターを観ていた僕が泣き笑いしちゃったので『ああ、大丈夫だな』と思いました」と振り返る。田畑を追い詰める川島を演じた浅野に関しては、「それほど説明しなくてもこのシーンの意味をわかっていると思い、全体の動きを付けたくらいですが、田畑を抱えて外に出す2人に対して、(浅野さんが)アドリブで『外に出せ』みたいな所作をされて、あれには助かりました。やはり脚本の行間を読むことが出来る素晴らしい俳優だなと」と絶賛。

 また、第44回では、第25回のシーンの回収である「あの時だ」というセリフをはじめ、田畑篇の最大の山場とも言える重要シーンが多数あった。大根は、「『いだてん』ではこれまで撮ったことのないシーンやキャラクターをたくさん演出しましたが、国会という設定も、田畑を問い詰める国会議員を撮るのも初めてでした。攻めと受けでいえば、このシーンは議員たちが攻めで、田畑は受けですよね。なので、議員たちのキャスティングが重要になると思い、過去に仕事をしたことがある役者さんに託しました。『いくらなんでもあんなに嫌な言い方はしないだろ?』と思われるかもしれませんが、ほとんど実際の議事録に残っている言葉通りなんですよ。まさに“茶番”というカンジで(笑)。みなさんそれぞれ違う“嫌な言い方”が実に巧みで撮っていて楽しかったです。皆さん上手だったので、阿部さんも安心して“受け”られたのではないかと。『田畑君、田畑君』と何度も呼ばれて、そこから過去の回想に入っていって『あの時だ』となる流れは、僕にしては珍しく編集が頭の中にイメージされていて、スローモーションや特殊レンズのショットも狙い通りでした。25回で高橋是清(萩原健一)から予算を取ってきたことが、44回で政治をスポーツに介入させてしまった自ら蒔いた種だと気づく。萩原健一さんの笑った顔が、全く違う意味に見えるのはゾッとしますよね。「あの時だ」のセリフの最後に「っ」が入るような言い方で、と言ったような気がします」とコメントを寄せた。


■放送情報
『いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~』
[NHK総合]毎週日曜20:00~20:45
[NHK BSプレミアム]毎週日曜18:00~18:45
[NHK BS4K]毎週日曜9:00~9:45
作:宮藤官九郎
音楽:大友良英
題字:横尾忠則
噺(はなし):ビートたけし
出演:阿部サダヲ、中村勘九郎/綾瀬はるか、麻生久美子、桐谷健太、斎藤工、林遣都/森山未來、神木隆之介、夏帆/リリー・フランキー、薬師丸ひろ子、役所広司
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/idaten/r/

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