舞台『刀剣乱舞』冬公演は“蒼さ”に期待? 蒼木陣のアクロバット、新キャストなどポイントをおさらい

舞台『刀剣乱舞』冬公演は“蒼さ”に期待? 蒼木陣のアクロバット、新キャストなどポイントをおさらい

 人気オンラインゲーム『刀剣乱舞-ONLINE-』の世界観をベースにミュージカル、舞台、アニメとさまざまなメディアミックスが行われ、今年1月には実写映画版の『映画刀剣乱舞-継承-』も大ヒットを記録した超人気コンテンツ『刀剣乱舞』。

 実写映画からの作品ファンも急増し勢いを増す中、舞台『刀剣乱舞』(以下、刀ステ)の最新作『舞台 刀剣乱舞 維伝 朧の志士たち』が11月22日より上演される。当初の看板キャラである三日月宗近(鈴木拡樹)と山姥切国広(荒牧慶彦)を中心に描かれてきたシリーズの集大成となる『~悲伝 結いの目の不如帰』(2018年6~7月)が終わり、新たな物語の幕開けとなった『~慈伝日日の葉よ散るらむ』(2019年6~8月)に続き注目される本作について、おさえておきたいポイントをまとめてみた。

 かいつまんで『刀剣乱舞』の基礎知識をおさらいしておくと、ミュージカル、舞台、アニメ、映画と、それぞれ登場する刀剣男士(ゲームにおけるプレイヤー=審神者(さにわ)によって生み出されたとされる、日本刀の名刀の付喪神(つくもがみ))たちの設定は共通しているが、シミュレーションゲームが原作であるがゆえに定まったストーリーを持たず、そのためコンテンツごとに纏うカラーも異なり、違う“本丸”(現場といったほうがわかりやすいだろうか)となっているのが、このコンテンツのユニークなところだ。たとえばライブ感あふれるステージングや観客参加型の演出が話題を呼び、キャストが2018年の『NHK紅白歌合戦』にも出場したミュージカル版(刀ミュ)、オリジナルストーリーを展開する中で刀剣男士たちの思いを丁寧に表現し、演劇ならではのストーリー密度と迫力で圧倒する刀ステは、大まかには2.5次元作品としてくくられるがかなり趣を異にするものといえる。

 さて本稿のメインとなる刀ステの魅力といえば、まずは脚本・演出を手掛ける末満健一(演劇『TRUMP』シリーズやハロー!プロジェクト公演『LILIUM』、劇団Patchの演出などでも知られる)による、緻密なリサーチをもとにしたオリジナルストーリーで構成されていることだ。西暦2205年に歴史改変を目論む“歴史修正主義者”による過去への攻撃が始まり、それを阻止するために審神者と刀剣男士たちが過去の各時代へ飛び歴史を守るーーというのが大元のストーリーだが、その戦いの中で刀剣男士たちはそれぞれの過去について思い悩み、歴史を守るためには自らの主の死を見なければならないという葛藤を抱えている様がリアルに描かれている。作品を追うごとに刀剣男士たちの出自などに関する細かな伏線(時にはギャグなども)が丁寧に回収されていくのも、シリーズファンをより熱狂させてきたポイントだ。

 また刀剣をテーマにした作品ということもあり、たとえば古い刀である三日月の、重心を低く保つ能のような動きで優美に敵を倒していく様や、トレードマークのマントを翻す軽やかな動きで刀と鞘を二本刀のように使う山姥切国広など、一振りずつの個性を活かした鮮やかな殺陣も大きな見どころ。その演出の魅力について、原作ゲームを生み出したニトロプラスの小坂崇氣は「観る者を没頭させる演出を工夫されてると思うんですよ。特に、場面転換の速さや繋ぎのうまさ、テンポの良さですね。殺陣も畳み掛けるように速くて、圧倒される」(『CUT』2018年7月号)と評していたが、ある意味観客がゲームの審神者目線になれる世界観を提示しているようで興味深い。

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