松岡茉優×鈴鹿央士が明かす、『蜜蜂と遠雷』月夜の連弾シーン秘話 「あの空間全部が好きでした」

松岡茉優×鈴鹿央士『蜜蜂と遠雷』対談

松岡「孤独な天才少女がエンターテイナーになる」


ーー登場人物たちが音楽に向き合うことと、ご自身が芝居に向き合うことで同じだなと感じたことはありますか?

松岡:私が亜夜を演じるにあたり今回掲げていたのが、「孤独な天才少女がエンターテイナーになる」というテーマでした。孤独である種エゴのようなピアノの演奏をして、自分とピアノの対話だけだった彼女が、それをエンタメに昇華して、お客さんに渡してエンターテイナーになる。私も舞台をやらせていただいた時に、最初はお客さんのことも見られないし、自分がその役を演じることで精一杯だったんです。それが公演を重ねてくうちに、お客さんの反応を見てお芝居のニュアンスを変えていくことができるようになって。なので亜夜が本選で初めてお客さんの呼吸を感じて演奏ができるようになったという感覚とは少し近いような気はしました。

鈴鹿:僕は、台本を読んでセリフを覚えて、ピアノを練習したことを、撮影の時にスタッフさんやエキストラさん、共演者の方々の前でやることは、風間塵がピアノを演奏することと重なるなと考えていました。全く一緒じゃないけど、違うものでもないな思って。でも、どうなんだろうな、芝居……まだわからないですね。

松岡:そうだよね。でもこれからの人生、もうピアノを弾く役はないかもしれないし、そういう意味では楽だと思うよ。鈴鹿くんは最初にしてかなり難しいことしたよ。

鈴鹿:でも僕、逆にピアノがあってラッキーだと思いました。

松岡:本当? ほらね、鈴鹿くんはこういうところがあるから。どうして?

鈴鹿:自分を直接出さずにひとつ経由してくれるものがあったから。直接さらけだすのがちょっと恥ずかしくても、表現の選択肢が増えてピアノを通してだったらできるなと思いました。

松岡:それならこれから方言をやるのも楽しいと思うよ。お医者さんとか弁護士さんとか業界用語のある役も面白いし、楽しんでできるね。それを障害じゃなくて楽しいって捉えられるんだと思う。

鈴鹿:楽しみです。

鈴鹿「生き方を松岡さんたちからすごく感じました」


ーーコンクール中、ピアニストたちが互いに影響を受け合いますが、この作品でお互いに受けた刺激はありますか? 

松岡:最初で最後のデビュー作で、これから羽ばたいていくであろう鈴鹿くんの最初に立ち会えたということは、私にとっても初心を思い出させてくれる瞬間もあって、貴重でした。原作ファンの方もかなり期待していて、風間塵という役は難しい役だったと思います。でも、その壁をひょいひょいと風間塵のように超えて鈴鹿くんが演じてくれたというのが、風間塵にとってもラッキーだったんだろうなって思いました。

鈴鹿:最前線で活躍されている方と一緒にお仕事するとなった時に、僕は今まで、同世代が多い事務所のレッスンなどしか経験していなかったので、やっぱり生で見ないと分からないことがたくさんあるんだろうなとワクワクしていました。実際に、日本の映画界のトップの方々の佇まいとか、生き方を松岡さんたちからすごく感じました。それと、芸能人のオーラって、やっぱり何かが違うんですよね……地球にいないんですよ。

松岡:(笑)。

鈴鹿:同じ惑星にいるはずなのに、宇宙の方にいるなと思って……でもここにいるから……。不思議な人たちだなと思って。

松岡:こっちのセリフだよ(笑)。宇宙人は鈴鹿くんだよ! 

鈴鹿:(笑)。松岡さんたちからは俳優という職業とお芝居が好きという気持ちがすごく伝わってきて、作品に向かう気持ちなども本当に一流のものを見ることができました。僕もそういうのを持たないといけないと刺激を受けたので、今は頑張り中です。

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(取材・文=大和田茉椰/写真=三橋優美子)

■公開情報
『蜜蜂と遠雷』
全国公開中
出演:松岡茉優、松坂桃李、森崎ウィン、鈴鹿央士(新人)、臼田あさ美、ブルゾンちえみ、福島リラ、眞島秀和、片桐はいり、光石研、平田満、アンジェイ・ヒラ、斉藤由貴、鹿賀丈史
原作:恩田陸『蜜蜂と遠雷』(幻冬舎文庫)
監督・脚本・編集:石川慶
配給:東宝
(c)2019 映画「蜜蜂と遠雷」製作委員会

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【応募方法】
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※当選後、住所の送付が可能な方のみご応募ください。個人情報につきましては、プレゼントの発送以外には使用いたしません。
※複数のお申し込みが発覚した場合、ご応募は無効とさせていただく場合がございます。
※営利目的の転売は固くお断りいたします。発見した場合は然るべき対応をとらせていただきます。

<リアルサウンド映画部 公式Twitter>
https://twitter.com/realsound_m

<応募締切>
10月31日(木)

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