ロバート・デ・ニーロも自信喪失!? 『ジョーカー』“夢のキャスティング”実現を監督が語る

『ジョーカー』夢のキャスティング実現の背景

 10月4日に日米同時公開となる『ジョーカー』。監督・製作・共同脚本を兼任したトッド・フィリップスが、ロバート・デ・ニーロのキャスティング秘話について語った。

 孤独だが心優しかった男が“悪のカリスマ”に変貌していく衝撃のドラマを、『ザ・マスター』『インヒアレント・ヴァイス』のホアキン・フェニックス主演で描くサスペンス・エンターテインメントとなる本作。先日開催された第76回ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門では、最高賞となる金獅子賞に輝いた。

 フィリップスは、本作でキーマンとなる名司会者について、「僕らは、トークショーのホストが30年くらい番組をやっているように感じさせたかった。このホスト役のキャスティングにおいて僕らの夢は、ロバート・デ・ニーロだった」と“夢のキャスティング”が実現するまでを明かした。

 「どんな時も笑顔で人々を楽しませなさい」という母の言葉を胸にコメディアンを夢見る、孤独だが心優しいアーサー は、毎晩、母親とふたりで『マレー・フランクリン・ショー』を観ては、この番組に出演する日を夢見ている。駆け出しのコメディアンなら誰もがそうだが、フランクリンのトークショーに呼んでもらうことは転機どころか、一世一代のチャンスになる。そ れはアーサーにとっても悲願だった。このジョー・フランクリンやジョニー・カーソンといった歴代の名司会者たちをミックスしたようなフランクリン役に、デ・ニーロをキャスティングしたかった理由として、フィリップスは「第一にマレーは、デ・ニーロだ。第二に少し『キング・オブ・コメディ』と繋がりがある。それにロバートは最高の役者だからね」と、『キング・オブ・コメディ』との繋がりについても言及する。デ・ニーロをキャスティングすべくフィリップスは、「僕は、彼に脚本を送ったんだ。彼は脚本を気に入ってくれて、僕は彼のオフィスに出向いて、僕がマレーの見た目や雰囲気について話した。さらに、僕らは、トーク番組のホストについて話し合った。もちろん『キング・オブ・コメディ』についても」とオファーを出した当時を振り返る。

 続けて、「ロバートはジュリー・ルイスの思い出話をしてくれて“自分にはジュリーみたいに上手くできない”と言っていた。だが、“この役は特定の人をモデルにしたわけではなく、多くのホストを組み合わせて創ったんだ”と話すと、最終的に作品に参加してくれることになったんだ」と明かした。奇妙で、難しい役だとマレーについて分析するフィリップスは、「僕は、人生でずっとデ・ニーロを尊敬してきた。監督として、自分のヒーローに会い、一緒に仕事をするというのは、最高に緊張する」と夢のキャスティングが叶うも、デ・ニーロの演技を前に緊張したとも明かす。そんなデ・ニーロの仕事場=“マーレイ・フランクリン・ショー”のセットで撮影されたシーンは、287名のエキストラに観客になってもらい、さらに アメリカNBCで、1975年から毎週土曜日の23:30から放送されている人気バラエティ番組『サタデー・ナイト・ライブ』の監督であるドン・リーが撮影に出席し、設定時代に合った見た目か信憑性を確認するなど、こだわり抜いて撮影されたという。

■公開情報
『ジョーカー』
10月4日(金)全国ロードショー
監督・製作・共同脚本:トッド・フィリップス
共同脚本:スコット・シルバー
出演:ホアキン・フェニックス、ロバート・デ・ニーロほか
配給:ワーナー・ブラザース映画
(c)2019 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved” “TM & (c)DC Comics”
公式サイト:http://wwws.warnerbros.co.jp/jokermovie/

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