広瀬すずと草刈正雄の強固な絆 『なつぞら』アニメに投影した「開拓者の魂」

『なつぞら』アニメに投影した「開拓者の魂」

 泰樹(草刈正雄)から開拓魂を受け継いだなつ(広瀬すず)は、自身が見た景色や経験を「大草原の少女ソラ」に投影し続ける。

 『なつぞら』(NHK総合)最終週初日、人気番組となった「大草原の少女ソラ」が佳境を迎えていた。なつたちも外注先も、視聴者の期待に応えようと必死で作業に励む。

 そんな中なつが描くのは、馬の死をきっかけに獣医を目指すレイが父に夢を語り、別れを決意するシーンだ。坂場(中川大志)の絵コンテでは、星空を眺めて語り合う姿が描かれている。しかしなつは自身の経験を振り返り、夜明けを描くべきだと提案した。

 「わたしも朝日に励まされたことがあったから」

 なつはこの作品に携わる中で、何度も十勝の風景を思い返してきた。十勝の大地に広がる夜明け。「じいちゃんが1人で北海道に来て開拓したみたいに、わたしも挑戦したい」と、自身の思いを伝えたときの、泰樹の力強くもあたたかい励まし。戦後、剛男(藤木直人)によって十勝に連れられてきたなつが見てきた全てが、この作品に活かされている。レイが父に別れを告げるシーンには、なつが抱いた思いのすべてが描かれているのだ。

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