黒木華らがつくり上げる絶妙な距離感 最終回目前の『凪のお暇』収録スタジオに潜入!

『凪のお暇』収録スタジオレポート

“役を生きる“俳優陣のアドリブが続々と…

慎二役の高橋一生

 凪と慎二、ふたりが似た者同士とわかった今、どのくらいの熱量でコミュニケーションをとっていけばいいのか。この日の収録は、そこを論点に黒木と高橋が監督を交えて慎重に話し合う姿が非常に印象的だった。凪と慎二の小競り合いも、これまでと同じような口論に見えても、もはや単純なバトルではない。ふたりが同じ方向を見ていることを感じながらも、ちょっとした言い方でささくれ立つ複雑な感情。凪の成長と、慎二の心の開閉は、このドラマの主軸になる。大ベテランの三田も「優しく言ったほうがいいと思う。緑さんを安心させて」と、緑という役を地でいくように諭していた。

 『凪のお暇』では、こんなふうに収録現場で細かな調整をしながら撮り進められる場面が多々あったそうだ。きっと、どんなふうにも演じられる俳優たちだからこそ、どの選択肢でいくのかを吟味しているのだろう。

 「凪って、そういう子だったかな?」と黒木が自問自答する姿も、凪が自分自身を理解しようとするストーリーと重なって、よりリアリティを感じられる。このドラマが、多くの視聴者から親しまれるのは、そんな実力派キャストによる繊細な演技があってこそ。まさに、それぞれが役として息をしているように見えた。

(取材・文=佐藤結衣)

■放送情報
金曜ドラマ『凪のお暇』(なぎのおいとま)
TBS系にて9月20日(金)22:00~22:54最終話放送
出演:黒木華、高橋一生、中村倫也、市川実日子、吉田羊、片平なぎさ、三田佳子、瀧内公美、大塚千弘、藤本泉、水谷果穂、唐田えりか、白鳥玉季、中田クルミ、谷恭輔、田本清嵐、ファーストサマーウイカ、武田真治
原作:コナリミサト『凪のお暇』(秋田書店『Eleganceイブ』連載)
脚本:大島里美
演出:坪井敏雄、山本剛義、土井裕泰
プロデューサー:中井芳彦
製作著作:TBS
(c)TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/NAGI_NO_OITOMA/

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