清原果耶、森七菜、細田佳央太ら相次ぐ大役抜擢! 作品の変化が生んだ、現役高校生俳優の躍進
十代から二十代前半にかけての若手俳優がしのぎを削る昨今では、その登竜門となる作品も少女漫画原作の青春恋愛映画から、定番中の定番でもある学園ドラマへと変化することで、1作品の中でより多くの若手俳優にフォーカスが当てられる下地が作られつつある。
もっとも、そうした学園ドラマでも高校生役を演じる俳優の多くがすでに高校生を終えた俳優たちというケースが珍しくない。そうした中だからこそ、早い段階から大役を任されてきた俳優は、作品に恵まれる運と抜擢されるだけの実力を兼ね備えており、その後大成する可能性は極めて高いといえよう。
現在放送中のNHK朝の連続テレビ小説『なつぞら』でヒロインを務める広瀬すずも、16歳の時に出演した『海街diary』で脚光を浴びたり、同作に出演している染谷将太や中川大志も子役時代から着実にキャリアを積み、高校生の頃に大きな飛躍を遂げている。とりわけ今年は現役高校生の世代、つまり2001年4月生まれから2004年3月生まれの世代が大役に抜擢される例が目立っているだけに、本稿ではその世代をリードする俳優たちをピックアップしてみたい。
まず現時点でこの世代をリードしているのは、前述の『なつぞら』でヒロイン・なつの妹で奥原千遥役を演じている清原果耶であろう。今年初頭から『愛唄 ー約束のナクヒトー』と『デイアンドナイト』で立て続けに映画ヒロインを務めた彼女。女優デビュー作から朝ドラ『あさが来た』で一人二役を演じる大物ぶりを見せつけたと思えば、“ニコモ”からSeventeenの専属モデルという経歴に「全国高校サッカー選手権大会」の応援マネージャーと、王道をひた走る。
さらに先日公開された『いちごの唄』でヒロインの中学生時代を演じたのを皮切りに、WOWOWの連続ドラマW『湊かなえ ポイズンドーター・ホーリーマザー』の第3話、NHK BSプレミアムのドラマ『螢草 菜々の剣』、そして8月8日に放送されるNHKドラマ『マンゴーの樹の下で〜ルソン島、戦火の約束〜』と主演ドラマが連続して放送。『なつぞら』で得た注目を存分に活かして、この夏で一気に上りつめようとしているのだ。
清原がテレビドラマを中心に飛躍を遂げている中、映画のフィールドでその脅威的な存在感を見せつけているのが、同じ17歳の森七菜だ。現在大ヒットを記録している新海誠監督の最新作『天気の子』でヒロインの陽菜役を演じ、同作とタイアップしている様々な企業のCMで毎日のようにその声を耳にする。しかも、同日に公開された『東京喰種 トーキョーグール【S】』をはじめ、秋には日本映画界屈指の実力派俳優たちが集結した『最初の晩餐』で戸田恵梨香の少女時代を演じるなど、まだまだ伸びる予感が漂う。しかも、今年序盤に放送されたドラマ『3年A組ー今から皆さんは、人質ですー』(日本テレビ系)の好演もまだ記憶に新しいだけに、テレビドラマのフィールドでも躍進が期待できる。