宮沢氷魚が残した杏への“優しい傷” 『偽装不倫』不器用な恋は思わぬ終焉へ

『偽装不倫』宮沢氷魚が残した“優しい傷”

 第8話では風太が優しく背中を押すことで、葉子も鐘子も再び歩き出すことができるようになった。風太は葉子を責めずに関係を終わらせることを飲みこみ、鐘子にはそっと背中を押すような言葉をかける。自分も傷ついている時に、相手を一番に思いやった。葉子は不倫をしているのに結婚していたことを隠し、鐘子は結婚していると嘘をつき不倫ではないのに偽装不倫をしていたことを、風太は「あべこべだね」と表現し、姉妹の不思議な“嘘”のつきかたを指摘する。それぞれ正反対のタイプの姉妹のように見えて、嘘で関係を築いてしまうところは似た者同士なのであった。

 そして丈は、思いやりゆえに鐘子に別れを告げる。別れても、丈が助からなくても鐘子を傷つけることに変わりはないが、丈は鐘子が“孤独”になることを一番に回避した。鐘子が立ち直れる傷にすり替えたのだ。かなり強引な方法で別れを告げ、鐘子も深く傷ついていたがこれもまた丈なりの思いやりだろう。不器用な二人の恋は思わぬ終焉を迎えた。

 次週は、失恋に落ち込む鐘子をデートに誘う相手役に桐山漣が登場する。『花咲舞が黙ってない』(日本テレビ系)で杏との共演経験のある桐山。御曹司役で鐘子のハートを射止めることができるのか、『偽装不倫』は第2章に突入する。

■Nana Numoto
日本大学芸術学部映画学科卒。映画・ファッション系ライター。映像の美術等も手がける。批評同人誌『ヱクリヲ』などに寄稿。Twitter

■番組情報
『偽装不倫』
日本テレビ系にて毎週(水)22時〜放送
原作:東村アキコ
脚本:衛藤凛 
演出:鈴木勇馬、南雲聖一 
出演:杏、宮沢氷魚、瀬戸利樹、MEGUMI、谷原章介、仲間由紀恵ほか
(c)日本テレビ
公式サイト:https://www.ntv.co.jp/gisouhurin/

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「国内ドラマシーン分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる