『あなたの番です』を深読み考察 真犯人はいったい誰!? 伏線は「反撃編」で回収されるのか?
怪しさナンバーワン 202号室 黒島沙和(西野七瀬)
Twitterの考察タグで大本命。筆者の個人アカウントで行ったアンケートでも、715票のうち293票を獲得し、約41%の人が黒島を真犯人だと予想していた。決定的なのは、菜奈のPCに残された「翔太くんへ」というテキストメッセージを読み上げる声が、菜奈に似せてはいるが黒島の声に聞こえること。菜奈殺害時に録画された動画にも、黒島の口調に思える箇所がある。黒島はこれまで殺人現場付近で目撃されたことはないが、103号室の田宮が廊下に監視カメラを仕掛け、その映像から何かに気づいたようで、黒島のことをいぶかしげな目で見るようになり、外でも彼女の後を付けている。また、黒島が交換殺人ゲームで書いたという「早川教授」はいまだに登場せず、引いたという「織田信長」を書いたと言う人もいない。少なくとも「織田信長」は嘘ではないだろうか? そして、公式サイトのキャストコメントを縦読みすると「黒このこだよ(犯人はこの人だ)」と読めるという情報を検証してみたが、他と比べて明らかに不自然なコメントになっており、これは意図的に縦読みを作ったと断言できる。
しかし、黒島が犯人だとすると動機は何か? 序盤では体にあざがある描写もあって、何者からか暴力を振るわれている様子だったが、連続殺人が始まってからはそれがなくなった。その理由は? もしかすると、彼女はサイコパス的な愉快犯で、「ジコチューで行こう!」とばかりにやりたいこと(殺人)を実行しているのかもしれない。
怪しさナンバーツー 301号室 尾野幹葉(奈緒)
初登場時から怪しさしかないが、殺人者というよりは彼女や妻がいる男性を奪おうとするストーカー気質の女性らしい。しかし、「まさか付き合っていたつもりはないなんて言わないですよね?」と翔太に聞き、否定されると、「こういう捨てられ方をしたときの私、怖いから」と宣言したときは、貞子ばりに怖い表情を見せた。さらに、菜奈から「翔太くんへ」と宛てたテキストメッセージの最後には「翔太くんへのプレゼレントです」という仕掛けが隠されていたが、翔太のストーカーと化していた尾野がプレゼント攻撃をしていたことを連想させる。翔太に付きまとっていることから考えて、その妻である菜奈を殺す動機が一番分かりやすいのは彼女だ。
怪しさナンバー3 302号室 手塚翔太(田中圭)
翔太が二重人格である、または双子で、その“片われ”がサイコパス的だと仮定すると、辻褄の合うところがたくさん。特別編で刑事に疑われていたとおり、翔太は死体の第一発見者となることが多いし、黒島や尾野が犯人だとすると、浮田(田中要次)みたいな屈強な男を絞殺できるだろうか? という疑問が生まれるが、男性で体を鍛えている翔太なら可能だろう。ネットの考察でも、タイトルバックで翔太の顔写真だけ紙がめくれ下に違う顔が見えるとか、尾野が「付き合っていたつもりないなんて言わないですよね?」と聞いたのは、翔太のふたつ目の人格が尾野と関係していたからではないかとか、嘘をつくときに右の胸を掻くのも右脳と左脳で別人格が? などの深読みが投稿されている。あんなにストーカー気質の尾野を警戒していたのに、その部屋の中まで入っていた場面も二面性を感じさせた。
また、第1話で映し出された婚姻届では、翔太の両親が証人になっており、なんと両親が20~21歳のときに生まれた“三男”であることが明らかに。これは双子という線もありえそう? しかし、翔太やその兄弟が菜奈を殺したということになると、これ以上ないバッドエンドで終わってしまうのだが……。
他には、102号室の児嶋佳世(片岡礼子)の足が発見されたとき、大きなクーラーボックスを運んでいた501号室の佐野豪(安藤政信)も、明らかに怪しい。彼には殺された赤池夫妻(隣室)から「悪臭と変な声がする」というクレームが入っていた。203号室のクオン(井阪郁巳)とイクバル(バルビー)も、管理人が屋上から吊り下げられ殺されたとき、非常階段にいたし、イクバルはSEなのでハッキングもできそうだ。また、404号室の江藤祐樹(小池亮介)は赤池家で唯一生き残った姑の幸子(大方斐紗子)を慕っていたし、IT企業を経営しアプリを開発していることから、彼にとって脅迫動画を作ることは簡単だろう。住民以外ではマンションに出入りできる神谷刑事(浅香航大)も意味ありげで、真犯人ではなくてもその協力者かもしれない。