福山雅治が戦っているのは抗うことのできない現実だ 『集団左遷!!』第一章/第二章でテーマの変化

福山雅治が戦うある現実

 片岡を演じる福山の演技も抑制されたシリアスなものへと変化している。コミカルでドタバタとした芝居には賛否があったが、ラジオ等で知る福山の人柄がフィードバックされており、頼りないが優しい片岡の魅力をうまく引き出していたため消えてしまうとさみしいものがある。

 第二章のシリアスな片岡は、始まる前に福山に期待されていた大人の演技だと思うのだが、横山の不正を暴こうとする必死の形相を見ていると、片岡の中にあった無垢な気持ちが失われていくかのようで胸が痛くなる。

 当初の片岡なら横山に「あなたは人の上に立つべき人間ではない」と説教したりはしなかったはずで、もしかしたら片岡も権力闘争と正義の快楽に(そうとは知らず)呑み込まれつつあるのかもしれない。

 おそらく最終回では、横山と片岡の最終対決が描かれ、集団左遷を目論む横山の真意が明らかとなるのだろう。

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