『なつぞら』安田顕、山田裕貴ら“小畑家”が生み出すグルーヴ感 何でも言い合う理想の家族に

『なつぞら』“小畑家”が生み出すグルーブ感

 そして、いよいよ5月21日の44話からは、雪之介、雪次郎、なつという3人が東京に向かう。この日の放送では、なつが世話になる川村屋のマダム・光子(比嘉愛未)が「この新宿もある意味、北海道と同じように開拓者が集まるところなのよ」「文化の開拓者、あなたのように新しいことに挑戦したいという若い人たちが、これからどんどん集まってくると思うわ」「ようこそ開拓者の街へ」と語るのだが、ここに十勝の開拓者たる3人がいる意味が伝わってくるようだった。

 安田顕は、天陽の父親役の戸次重幸や、牧場で働く音尾琢真とともにTEAM NACSのメンバーでもある。これまでは彼らが一堂に会するシーンはなかなかなかったが、なつたちの送別会が雪月で行われることになり、遂にこの3人のスリーショットも公開された。この送別会が楽しそうで、また泰樹のせつなさが示されただけに、十勝編全体に対してのロスも感じるところだ。

 雪次郎は、十勝でのお菓子作りの修行のために、東京に向かう。どこかひょうひょうとして、柴田家の夕見子にストレートに好意を寄せていて、そこにまったく嫌味がない雪次郎には、天陽くんとも、柴田家の兄・照男(清原翔)ともまったく違った魅力がある。ヒロインの行く末も気になるが、雪次郎と夕見子、そして雪月の面々の行く末も気になるところである。

■西森路代
ライター。1972年生まれ。大学卒業後、地方テレビ局のOLを経て上京。派遣、編集プロダクション、ラジオディレクターを経てフリーランスライターに。アジアのエンターテイメントと女子、人気について主に執筆。共著に「女子会2.0」がある。また、TBS RADIO 文化系トークラジオ Lifeにも出演している。

■放送情報
連続テレビ小説『なつぞら』
4月1日(月)〜全156回
作:大森寿美男
語り:内村光良
出演:広瀬すず、松嶋菜々子、藤木直人/岡田将生、吉沢亮/安田顕、音尾琢真/小林綾子、高畑淳子、草刈正雄ほか
制作統括:磯智明、福岡利武
演出:木村隆文、田中正、渡辺哲也ほか
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/natsuzora/

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