吉沢亮、『キングダム』2つの顔で見せた確かな表現力 世代を率いるブレない芯の強さ

吉沢亮、『キングダム』2つの顔で見せた確かな表現力 世代を率いるブレない芯の強さ

 そんな吉沢のシーンで心震わされるのが、闘いのなかで激しい檄を飛ばすところだ。信を演じた山崎賢人も筆者が行ったインタビューでその場面を絶賛していたが、鋭い視線の奥からにじみ出るカリスマ性は吉沢の持つポテンシャルを最大限に発揮した名シーンだ。また山崎は吉沢の演技を「ブレない芯の強さがある」と賞賛していた。

 本作では、アクションシーンでも吉沢の可能性を大きく示している。もともと小学生から長期に渡って剣道を続けていたという下地はあるが、見事な殺陣を披露している。しかも迫力ある動きのなかで、漂としての殺陣と、エイ政としての殺陣では明確な違いも感じとることができる。映画『BLEACH』でも一緒だった、アクション監督を務める下村勇二の手腕によるところも大きい部分ではあるが、吉沢自身も、王族が身につけるであろう型にはまったエイ政の殺陣と、我流で学んだ粗削りな漂の殺陣という二つのアイデアを持って現場に臨んでいたようだ。

 今作では、原作の1~5巻まで、エイ政が王座を奪還するところまでが実写化されたが、この先、「中華統一」を目指し、さらなる戦いへ身を投じていく。オープニング興収で50万人を突破し、配給の東宝からも40億が狙えるスタートと発表された『キングダム』。公開後の口コミの評価も高く、ファンばかりではなく吉沢らキャストからは早くも「続編」を期待する声が上がっている。

 吉沢自身も「自分の代表作になれば」という強い気持ちで作品に臨んだことを明かしていたが、現在放送中の連続テレビ小説『なつぞら』(NHK総合)をはじめ、直木賞作家・西加奈子のベストセラー小説を実写映画化する『さくら』(2020年公開予定)や、広瀬すずと共演する『一度死んでみた(仮)』(2020年公開予定)への出演も発表されているなど、今後の活躍がますます期待される若手注目俳優だ。

※山崎賢人の「崎」は「たつさき」が正式表記。

■磯部正和
雑誌の編集、スポーツ紙を経て映画ライターに。基本的に洋画が好きだが、仕事の関係で、近年は邦画を中心に鑑賞。本当は音楽が一番好き。不世出のギタリスト、ランディ・ローズとの出会いがこの仕事に就いたきっかけ。

■公開情報
『キングダム』
全国東宝系にて公開中
監督:佐藤信介
脚本:黒岩勉、佐藤信介、原泰久
出演:山崎賢人、吉沢亮、長澤まさみ、橋本環奈、本郷奏多、満島真之介、阿部進之介、深水元基、六平直政、高嶋政宏、要潤、橋本じゅん、坂口拓、宇梶剛士、加藤雅也、石橋蓮司、大沢たかお
配給:東宝
製作:映画「キングダム」製作委員会
(c)原泰久/集英社 (c)2019映画「キングダム」製作委員会
公式サイト:kingdom-the-movie.jp

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