窪田正孝が口下手な役どころを演じる 『ラジエーションハウス』第1話で描いた“病のカメラマン”

『ラジエーションハウス』“病のカメラマン”の奮闘

 唯織がラジエーションハウスに溶け込んでいくまでを繊細に描き、さらにラジエーションハウスのメンバーの個性が強く打ち出された1話はまさに導入にふさわしい演出が多用された。冒頭では技師長の小野寺俊夫(遠藤憲一)に徐々に合流していくラジエーションハウスのメンバーが描かれ、“チーム”らしい一体感を感じさせる構図となった。チームの中に新しく飛び込む唯織と裕乃は、最初こそ別なエリアにいて一体感のない様子が浮き彫りになっていたが、後半ではラジエーションハウスのメンバーと同じ一つのフレームにおさまりチームの一員になったことが象徴される。正義感や仲良しこよしな雰囲気を押し付けないものの、信頼関係が築き上げられていく様子がわかり作品により没頭できる初回となった。

 放射線技師を“病のカメラマン”とし、目に見えないものを写し出す職業として描いた本作は、当たり前のように日常に隣接したレントゲンやCTなどの医療技術に新鮮な印象を与える。そこに窪田演じる唯織のピュアな恋が絡み、心が温かくなるストーリーが展開。このメンバーが織りなす甘春総合病院での日常をもっと見ていたいと感じる作品が幕を開けた。

■Nana Numoto
日本大学芸術学部映画学科卒。映画・ファッション系ライター。映像の美術等も手がける。批評同人誌『ヱクリヲ』などに寄稿。Twitter

■放送情報
『ラジエーションハウス~放射線科の診断レポート~』
フジテレビ系にて毎週(月)21:00~21:54放送
出演:窪田正孝、本田翼、広瀬アリス、浜野謙太、丸山智己、矢野聖人、山口紗弥加、遠藤憲一、鈴木伸之、浅野和之、和久井映見 ほか
原作:『ラジエーションハウス』(原作:横幕智裕、漫画:モリタイシ、GJ/集英社)
脚本:大北はるか
プロデュース:中野利幸
演出:鈴木雅之
制作著作:フジテレビジョン
(c)フジテレビ
公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/radiationhouse/

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