「週末映画館でこれ観よう!」今週の編集部オススメ映画は『PRINCE OF LEGEND』
リアルサウンド映画部の編集スタッフが週替りでお届けする「週末映画館でこれ観よう!」。毎週末にオススメ映画・特集上映をご紹介。今週は、“推し王子”は結城先生、リアルサウンド映画部の若田が、『PRINCE OF LEGEND』をプッシュします。
『PRINCE OF LEGEND』
『HiGH&LOW』シリーズの製作陣が再び集結した本作は、圧倒的なルックスを誇る王子たちが勢揃いし、「伝説の王子」になるべくバトルを繰り広げます。昨年10月から放送されたTVドラマや、2月に横浜アリーナで行われたライブ、そして現在配信中のアプリゲームと、あらゆるメディアと連動して展開されています。今回公開された映画では、ドラマ版のクライマックスが描かれることになりました。
『HiGH&LOW』の沼にハマってしまった自分としては(こちらでは、雨宮広斗を推しとしていました)、公開が決まった時から『PRINCE OF LEGEND』が早く見たくてうずうずしていました。そしてその期待が確信に決まったのは、第一弾特報が公開された時です。そこに添えられていた「王子が大渋滞!」というキャッチコピーのインパクト! 映像からは、「王子」だけで一点突破しようとする気概が感じられました。また、『HiGH&LOW』のメソッドを応用したチーム分けにも惹かれました。昨年、「付き合ってはいけない男性、3B」として美容師、バーテンダー、バンドマンがあげられ、それをまつわる論争がTwitterを中心に盛り上がりましたが、その「3B」をチームの一つとして入れてくるあたりも流石です。
本作でヒロインとされるのが、白石聖演じる成瀬果音。彼女とお付き合いのできる王子を選ぶために王子選手権が行われます。しかし、たんなるシンデレラストーリーではないのが、『PRINCE OF LEGEND』です。「壁ドン」は今や胸キュンさせるための必殺技であり、一時期はバラエティ番組などでアイドルや芸人が挑戦する「ネタ」のように扱われてきました。そもそも壁ドンブームの火付け役となったのは、渡辺あゆによる少女漫画『L・DK』であり、2014年に映画化され、一気に浸透していきました。それから、主に10代の女性をターゲットにしたいろいろな漫画や映画で使われてきました(ちなみに『L・DK』の再映画化『L・DK ひとつ屋根の下、「スキ」がふたつ。』がちょうど同じ時期に公開されたのも興味深いです)。しかし、本作における「壁ドン」は、王子選手権における一つの競技として扱われています。そのため、片寄涼太演じる奏様も、選手権の前に事前に壁ドンを練習。壁ドンというフォーマットを使いながら、そこに自分なりの“色”を付け加えていくのです。このように、これまでの胸キュン映画・ドラマで使われてきたセオリーを新たな視点から組み立て直し、見たことのない「王子様映画」として作り上げたのが『PRINCE OF LEGEND』です。