竜星涼を動かした高畑充希の“人たらし力” 『メゾン・ド・ポリス』大団円と呼べる結末に

『メゾン・ド・ポリス』大団円の結末に

 そしてもちろん、本作ではひよりとともに“現場”で活躍してきた夏目の単独行動による破天荒な捜査ぶりと見事なアクションシーンも目を引くものがあった。『MOZU』(TBS系)の倉木尚武ばりの冷たい目をしながらも、やはり本作が脚本・黒岩勉&演出・佐藤祐市という布陣である以上、『ストロベリーナイト』(フジテレビ系)の菊田和男の存在を想起してしまう。何しろ第1話からセリフ中に『ストロベリーナイト』を登場させるなど随所にオマージュと呼ぶべきリンクを張り巡らせてきた本ドラマ。

 今回のクライマックスでは警視庁を見つめるひよりと夏目のカットや、ラストの捜査現場が線路であるという点に加え、極め付けのようにひよりが配属された捜査一課のシーンでは後ろに姫川を思わせる赤いバッグを持った女性刑事の姿が登場するという、徹底したセルフオマージュの応酬。ここまでハッキリとやられてしまっては、ふたつのドラマが本格的に繋がってもらいたいと思わずにはいられない。

 それにしても、ドラマの序盤ではひよりとメゾンのおじさまたちが絆を構築していく数々の事件を描き、終盤に入りようやくクライマックスの形が見えてくるという急展開で、先週の時点ではどのように最終回をまとめあげるのか気がかりであった。そんな不安を軽く吹き飛ばすように、しかもドラマ全体の急展開性を維持したまま、一気に畳み掛けるような最終回の構成の妙は、実に見事と言えるだろう。

20190316-maisondepolice-sub1
20190316-maisondepolice-sub2
20190316-maisondepolice-sub3
20190316-maisondepolice-sub4
20190316-maisondepolice-sub6
previous arrow
next arrow
20190316-maisondepolice-sub1
20190316-maisondepolice-sub2
20190316-maisondepolice-sub3
20190316-maisondepolice-sub4
20190316-maisondepolice-sub6
previous arrow
next arrow

■久保田和馬
映画ライター。1989年生まれ。現在、監督業準備中。好きな映画監督は、アラン・レネ、アンドレ・カイヤット、ジャン=ガブリエル・アルビコッコ、ルイス・ブニュエル、ロベール・ブレッソンなど。Twitter

■放送情報
金曜ドラマ『メゾン・ド・ポリス』
TBS系にて、毎週金曜22:00〜放送
出演:高畑充希、西島秀俊、西田尚美、竜星涼、木村了、戸田昌宏、小日向文世、野口五郎、角野卓造、近藤正臣
原作:加藤実秋『メゾン・ド・ポリス』シリーズ(角川文庫刊)
脚本:黒岩勉
演出:佐藤祐市、城宝秀則
プロデューサー:橋本芙美、芳川茜
製作:共同テレビ、TBS
(c)TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/maison_de_police/

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる