『はじこい』横浜流星は“年下男子”のステレオタイプを覆す!? 他の恋愛ドラマと一線を画す理由
由利は一番良識的で“大人”?
また、本作では「年下男子=年上女性に甘えたい」という一般的なイメージを由利が見事に覆している。
実際の年下男子には、「普段あまり他人に弱みを見せられない年上女性にも頼られたい、甘えられたい」という人が多いのではないだろうか。それを証拠に、順子のことを意識し始めた由利が、いつまで経っても順子が自分のことを「子ども扱い」「高校生扱い」することに対する不満を露わにしていた。
自分の気持ちに嘘をつかずストレートに行動しながらも、自身の年齢や、先生と生徒という立場から、順子への告白も「受験が終わったら」と自身の思いを秘め続けている由利は、正真正銘の大人である順子・山下(中村倫也)・雅志(永山絢斗)の中でも実は最も良識的で“大人らしい”。
また順子も感心していたように「自分のことを信じ切っている」由利に迷いはなく、これまで自分が勉強をさぼってきたことや父親との確執を一切言い訳にせずに、責任転嫁もせず、真摯に「今まで向き合ってこなかったもの」に真っ向から取り組んでいる。自分の合格が順子の雪辱を果たすことに繋がり、また自分自身を初めて認めてくれた順子への何よりの感謝、恩返しになると信じ、順子の講師としての素晴らしさを、自分の実績をもって証明したいと思っている。
互いが自分の人生を生き直すのに欠かせない存在である由利と順子。この2人の二人三脚で無事合格を勝ち取ることができるのかという「スポ根ドラマ」的な楽しみと、由利が順子や山下、雅志に与える影響によって今後この四角関係がどう変化していくのか。いずれにしても、後半戦も要注目だ。
■Yoshika Umeda
元出版社勤務。現在都内OL時々ライター業。三度の飯より映画、ドラマが好きで2018年の劇場鑑賞映画本数は96本。Twitter:https://twitter.com/Tominokoji
■放送情報
火曜ドラマ『初めて恋をした日に読む話』
TBS系にて、毎週火曜22:00~
出演:深田恭子、永山絢斗、横浜流星、中村倫也、安達祐実、石丸謙二郎、鶴見辰吾、生瀬勝久、檀ふみ、高橋洋、皆川猿時
原作:『初めて恋をした日に読む話』持田あき(集英社『クッキー』連載)
脚本:吉澤智子
プロデューサー:有賀聡(ケイファクトリー)
演出:福田亮介ほか
製作:ケイファクトリー、TBS
(c)TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/hajikoi_tbs/