中尾明慶と毎熊克哉、花嫁はどちらの手に? 『まんぷく』が描く不器用な恋心

『まんぷく』“恋する塩軍団”中尾明慶と毎熊克哉

 一方、森本は無愛想な印象が強い。塩軍団として活躍していた際、フィリピンの戦地で心に深い傷を受けた森本の発する言葉は、悲愴な戦争体験をうかがわせるものだった。普段は愛想がない森本だが、吉乃と会話するときは笑顔を意識しているように見える。岡や神部に対して言葉を発するときはぶっきらぼうなままなのに、吉乃に視線を向けるときは必ず笑顔になる。森本は岡に比べると吉乃に対する正直な気持ちが顔に表れやすい。しかしその気持ちを口にすることはかなわないようで、吉乃を前にすると岡と同じように口数が少なくなってしまう。

 毎熊は“恋する森本”を、岡とはまた違った不器用さで演じている。毎熊が見せる笑顔は、森本の吉乃への想いが正直に伝わってくる。恋に自信がないようにも見える笑顔なので決して爽やかとは言えないが、森本の好意は視聴者の心にすんなりと届いたはずだ。また毎熊は、吉乃に話しかけるときには心なしか言葉を優しく発しているようだ。吉乃に想いが伝わっているかどうかは不明だが、森本らしい不器用な優しさを、毎熊は表現し続けている。

 今はまだ、岡、森本、吉乃が3人仲良く「パーラー白薔薇」で「まんぷくラーメン」の現状について話しているが、いつまで3人の画が見られるのだろうか。「まんぷくラーメン」で盛り上がる傍で、徐々に恋の炎を燃やす岡と森本と吉乃の三角関係からも目が離せない。

■片山香帆
1991年生まれ。東京都在住のライター兼絵描き。映画含む芸術が死ぬほど好き。大学時代は演劇に明け暮れていた。

■放送情報
NHK連続テレビ小説『まんぷく』
10月1日(月)〜2019年3月30日(土)【全151回】
作:福田靖
出演:安藤サクラ、長谷川博己、松下奈緒、要潤、大谷亮平、桐谷健太、瀬戸康史、岸井ゆきの、松井玲奈、深川麻衣、加藤雅也、牧瀬里穂、松坂慶子ほか
語り:芦田愛菜
制作統括:真鍋斎
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/mampuku/

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