水谷豊監督第2作『轢き逃げ 最高の最悪な日』予告編公開 手嶌葵によるテーマソングも
5月10日公開の映画『轢き逃げ 最高の最悪な日』のテーマソングが手嶌葵の「こころをこめて」に決まり、同楽曲を使用した予告編が公開された。
水谷豊が監督・脚本・出演を務める本作は、とある地方都市で起こった“轢き逃げ”事件が発端となり物語が展開。轢き逃げの真相、犯人を捜す事件ドラマではなく、その渦中にいた7人が、それぞれどのような“答え”を見出したのかを描く。
大企業に勤め、結婚も控え幸せ絶頂でありながら轢き逃げ事件を起こしてしまう秀一役を中山麻聖、秀一の親友であり、事件の際、助手席にいて共犯となってしまう輝役を石田法嗣が務める。また、夫の起こした事件に向き合うことになる秀一の妻・早苗役には小林涼子、事件を追う若手刑事・前田役に毎熊克哉が決定。事件を追う被害者の父・時山は、監督の水谷自身が演じ、その妻・千鶴子役を檀ふみ、そして事件を追うベテラン刑事・柳役を岸部一徳が演じる。
公開された予告編は、「轢かれた時、娘は生きていたんですか?」という水谷演じる被害者の父・時山の悲痛な問いかけから始まり、轢き逃げ犯を追う水谷や、声を荒げる中山らの姿が描かれる。そして、轢き逃げ犯が逮捕され、収束に向かうかに思えた事件に浮かび上がった新たな謎を追う岸部の姿も確認ができる。
一転、後半からは手嶌の歌うテーマソング「こころをこめて」を背景に、「もう帰って来ないこともわかっています」と岸部に語る水谷の姿や、ソファで眠る水谷に毛布をかける檀の様子が映し出されており、7人の心の動きが「誰かを責めて楽になるなら、いくらでも責めるわ」「千鶴子、ありがとう」といったセリフとともに描かれている。
今回、自ら初めて脚本を担当した水谷監督が、執筆段階で構想を抱いていたのが、「観た人が映画館を出るときに前向きな気持ちになってほしい。そのためには優しく包むような女性の声で最後を締めてほしい」ということ。その思いを受けて制作陣から名前が挙がったのが、映画『ゲド戦記』挿入歌「テルーの唄」でデビューし、その後も数々の主題歌やCMソングを手がけてきた手嶌だった。
透き通る声を持つ女性という監督のイメージとも合致し、即決。すぐにオファーをし、水谷監督と手嶌の初タッグが実現した。あがってきたデモ音源の中から監督を含めた制作陣で話し合い、今回の楽曲に決定。その後、歌詞がつけられ、テーマソング「こころをこめて」(楽曲リリースは未定)が生まれた。本楽曲は、轢き逃げ事件を起こした秀一の親友で、自身も助手席にいた輝が、学生時代聞き続けた思い出の曲という設定。劇中では事故を起こしたあと、秀一の部屋で2人が聞く劇中歌としても使用され、エンディングで流れる楽曲としても大きな役割を担っている。
手嶌葵 コメント
水谷さんの作品は多く拝見しているので、お話を頂いた時には非常に嬉しく思いました。
人間、友情、愛情について、そしてその時々で、自分の正義感がどう動くのか、観ている中でも、観終ったあとでもいろいろなことが浮かぶ映画でした。その中の凄く印象的なシーンでテーマソングを使って頂いて、嬉しいですし、とても幸せな思い出の中で、佇んでいるような、漂っているような素敵な詞の内容やメロディなので、映画を観て下さっている方に少しでも寄り添えるようにシンプルに歌うことを心がけたつもりです。水谷監督とは初号試写の時に初めてお会いしましたが、とてもやわらかな雰囲気をお持ちで、素敵な監督さんとご一緒できたのだと、とてもありがたく思いました。
様々な方に楽しんで頂ける作品だと思います。いろいろなことを考えながら、感じながら、ご覧いただけると嬉しいです。
水谷豊監督 コメント
テーマソングには女性の声がいいと決めていて、プロデューサーに希望を出したところ、一番最初に候補としてあがってきたのが手嶌葵さんでした。彼女の透き通る歌声を聞いて迷うことなく、この声だ、と感じました。
楽曲作りに関しては、特にストーリーに寄せてもらう必要は無く、1点だけ、どこか母性が現れる優しさが欲しい、とお願いをしました。
轢き逃げ事件をきっかけとする物語ではあるものの、最後は未来に向かって前を向いていきたい、そう思っていましたが、この素晴らしい歌声と楽曲が、すべてが終わった後、映画の締めくくりとして流れることで、その思いを叶えてくれました。
■公開情報
『轢き逃げ 最高の最悪な日』
5月10日(金)公開
監督・脚本:水谷豊
出演:中山麻聖、石田法嗣、小林涼子、毎熊克哉、水谷豊、檀ふみ、岸部一徳
配給:東映
(c)2019映画「轢き逃げ」製作委員会