『アクアマン』ジェームズ・ワン監督が語るヒットの秘訣 「自分が楽しめるのが1番のバロメーター」

『アクアマン』ジェームズ・ワンが語る

「重要なのは、観客が共感できること」

ーー今回の『アクアマン』も先ほど挙げた過去作もそうですが、あなたの作品は「家族」が重要なテーマになっていますよね。

ワン:僕はアジア系の家庭で育ちました。なので、家族というのは僕にとっても非常に大事なものなのですが、これは誰しもに言えることだと思うんです。やはりこれだけファンタジーの部分が多い、非現実的な世界観がある中で、みんなが共感できて理解できるのは重要なことです。父、母、子供、そして愛する者……家族という要素があるからこそ、とても人間的な作品になっていると思います。

ーー家族と言えば、これまで『死霊館』や『インシディアス』でもタッグを組んできたパトリック・ウィルソンが今回悪役となるオームを演じていますね。兄であるアーサーを演じたジェイソン・モモアよりも6歳年上のパトリック・ウィルソンに弟のオームを演じてもらうのにはリスクもあったかと思うのですが、彼をオーム役に起用した理由、そしてパトリック・ウィルソンとあなたとの関係性についても教えてください。

ワン:ジェイソンには髭がいっぱいあってすごく年上に見えるから、年の差については全く問題ありませんでしたよ(笑)。パトリックと僕は最初から気が合って、お互い尊敬し合っているんです。彼はものすごく才能があるし、素晴らしい俳優なのですが、意外と認められていないというか、周りに認識されてない部分もあるんです。ルックスは“ムービースター”なんですけど、“アクター”と言われるような、純粋な俳優の才能を十分に持っていると思います。とにかく僕にとって、彼をキャスティングすることは何の不安もないし、とても働きやすいんです。彼は僕のスタイルを分かっているし、僕も彼のことを分かっています。この大変な仕事の中で、彼が一緒にいてくれたのは非常にやりやすかったですね。

ーーアクション、ラブストーリー、人間ドラマ……と様々な要素が盛り込まれた本作ですが、あなたにとって最もチャレンジングだったことはなんでしょうか?

ワン:どの部分も非常に大変だったのですが、やはりどれだけアクションをやっても、どれだけ視覚効果が良くても、人間の感情がちゃんと出ていないと観客が共感できないものになってしまうので、そこが1番のチャレンジでした。キャラクターも大事ですし、ストーリーも大事ですが、カッコいいセットやビジュアルも映画のクオリティーに左右すると思うんです。1番最初にワーナー・ブラザースに話した時にも、「観たことのないビジュアル」で、「ユニークなものを作り上げたい」と言ったんです。時を経て、観客に「あの時のあの映画のあのシーン」と覚えてもらえるくらいのビジュアルを作るのも、とても大事なことでした。

(取材・文=宮川翔)

■公開情報
『アクアマン』
全国公開中
監督:ジェームズ・ワン
出演:ジェイソン・モモア、アンバー・ハード、ニコール・キッドマンほか
配給:ワーナー・ブラザース映画
(c)2018 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved” “TM & (c)DC Comics”
公式サイト:http://wwws.warnerbros.co.jp/aquaman/

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