『中学聖日記』有村架純が明かす、岡田健史の“変化”「晶くんの切ない顔が忘れられない」
有村「『何やってるんだろう、私』みたいな気持ちになりました」
――新井さんと有村さんからみて、岡田さんが最初の頃と比べて、変わったと思うことがあれば教えてください。
有村:衣装合わせで初めてお会いした時と今では、全く顔つきが変わっていて、会うたびに「あ、また変わってる!」と驚いています。そういう日々の変化をお芝居しながらも感じることが出来ました。一方で演技への真っ直ぐさは変わっていなくて、お芝居をやっている時に晶くんからもらうエネルギーは、1話から11話まで同じ熱さをずっと感じていました。最初はやっぱり自分が引っ張っていかなきゃと思っていたけど、途中からそんなことを思う必要もなくなるくらい背中が大きくなっていくのをずっと見ていたのですごいなって思っていました。
新井:本当に顔つきが変わりましたよね。あと、中学生と高校生の芝居も上手く変えられたんじゃないかなと思いました。中学生時代は、年齢が自分より下の世代を演じていたのでちょっとやりづらそうでした。今の方がやりやすいですか?
岡田:やりにくい、やりやすいはあんまり分からないです。
新井:今の役の方が共感しやすいのかな。
岡田:そうですね。
新井:クランクインした当初は、お芝居が未経験からこそ出るリアクションがたくさんあって、監督も「そうきたか」みたいな場面も多かったです。だんだん「こういうお芝居をした方がいい」みたいなことを考えるようになった?
岡田:いや、そんなこと滅相もないです(笑)。
新井:多分、役の年齢が上がったのもあって、一風変わったリアクションはいい意味で減ってきた気はしました。最初の中学生時代は「なかなか普通のリアクション取れないよね」ってスタッフと話していましたが、芸能界で長年生きてきた方には出来ないリアクションをするのはデビュー作だからこそだと思っていて、それが晶にハマったと思っています。今後もそういう芝居は続けてくれたらいいなとは思っています。「こんな感じでしょ?」「こんな感じで芝居やればいいんでしょ?」っていうふうにならないといいですね(笑)。最近、色々良くないことを植え付けていて、電話のシーンで電話のカットバックがあると「俺の声録ってくださいよ」って言いなよって伝えてます(笑)。
岡田:自分を陥れようとしてくるんです(笑)。
新井:「『ここ、俺のシーン上にしてよ』とか言ってみればいいじゃん」って言ってます(笑)。そういう風になっちゃいけないよっていう、レッスンです。
岡田:ありがとうございます。
――お互いの演技を見ていて、驚いたり素敵だなと思ったり、影響を受けた場面があったら教えてください。
岡田:1話の車内で、聖先生が授業で言っていた「春夜喜雨」という漢詩の意味を晶が分かった時のシーンです。聖先生が自信をなくして「先生になるの早かったかな」と口にして、先生が辞めないか心配になるという場面で、自分は聖先生がついポロッとこぼしちゃうくらいのイメージで現場入りしました。だけど、有村さんが少し涙ぐまれて、その姿を見て本当は心配しないといけないのに、「すげえ綺麗だな」って思っちゃったんです。想定外のリアクションをされるのが自分はすごく楽しくて。「すごい、こんな演技されるんだ」っていうのは有村さんに限らず他のキャストの皆さんにもあったんですけど、その中でも印象的に思ったシーンの一つです。
有村:晶の真っ直ぐさに聖は毎回気持ちが持っていかれそうになりつつも、自分の理性との揺れ動きが常にあるんですが、どのシーンも本当に真っ直ぐ目を見てくるから逃げられないんです(笑)。8話で聖と晶が再会するんですけど、そのときに聖は自分の気持ちとは違うことを晶くんに伝えて、それで「がっかりしました」と言われるんですが、何故か分からないですけど、悲しい気持ちになって、ドライアイなのに涙が出てきました(笑)。
新井:後半の聖ちゃんは、ずっと泣いていましたね。「もう泣いてる。大丈夫かな?」って監督が言ってました(笑)。
有村:本当はそうじゃないのに、自分の好きな人からそう言われて、失望させてしまった自分の情けなさがすごい悔しくて。「何やってるんだろう、私」みたいな気持ちになりました。その時の晶くんの切ない顔が忘れられないです。