とうとう殺人描写が描かれた『ドロ刑』 一線を画す中村倫也が、重要な役割を果たす?

『ドロ刑』中村倫也がカギに?

 部屋に仏壇がないのに何かに手を合わせていることに疑問を抱いたり、前に刑務所に入った時の月のままめくられていないカレンダーに気が付いたりと、斑目の刑事としての勘が着実に養われているのが見受けられる中で、「何かにおうんですよね」と語る斑目に煙鴉が言う「だったらそれを信じろ」の言葉。その言葉にしたがって東村を追い続けた斑目は、東村が殺人事件現場に空き巣に入っていることにたどり着く。

 盗みを働く東村と対峙した時の斑目の切ない表情に、取調室でのやり取りと、お手製のカレンダーをプレゼントする年齢を超えた友情の描写。ふと、第3話で勝手田(丸山智己)から刑事の基礎を叩き込まれた斑目が、バーで煙鴉にぼやいているシーンでの会話が思い出される。相手を察することが取り調べで黙秘する犯人の心を開くと言われ、斑目は罪人を何故察してやらないといけないのかと疑問を投げかける。

 煙鴉にしろ第3話での金庫破りの青年にしろ、今回の東村にしろ、刑事らしからぬ見た目の斑目はそんな疑問を持ちながらも、犯罪者の心を開きその中に踏み込んでいくことができる能力の持ち主であることは言うまでもない。その才能を活かし、そしてプロの犯罪者との対峙を通して着実に培われている刑事の勘を確固たるものにしていくことこそが、斑目が本物の“ドロ刑”になるということなのだろう。

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■久保田和馬
映画ライター。1989年生まれ。現在、監督業準備中。好きな映画監督は、アラン・レネ、アンドレ・カイヤット、ジャン=ガブリエル・アルビコッコ、ルイス・ブニュエル、ロベール・ブレッソンなど。Twitter

■放送情報
『ドロ刑 -警視庁捜査三課‐』
日本テレビ系にて毎週土曜22:00~22:54放送
出演:中島健人(Sexy Zone)、遠藤憲一、石橋杏奈、中村倫也、江口のりこ、野間口徹、田中道子、生島翔、丸山智己、板尾創路、稲森いずみ
原作:『ドロ刑』福田秀(集英社「週刊ヤングジャンプ」 連載)
脚本:林宏司
音楽:木村秀彬
主題歌:Sexy Zone 「カラクリだらけのテンダネス」(ポニーキャニオン)
演出:大谷太郎、中島悟(AXON)、高橋朋広
制作協力:The icon
製作著作:日本テレビ
(c)日本テレビ
公式サイト:https://www.ntv.co.jp/dorokei/
番組公式Twitter アカウント : @dorokei_ntv

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