とうとう殺人描写が描かれた『ドロ刑』 一線を画す中村倫也が、重要な役割を果たす?

『ドロ刑』中村倫也がカギに?

 13係に所属する刑事の因縁の相手との対峙か、新米刑事の斑目(中島健人)が犯罪に手を染める者と交流を持つか。日本テレビ系列土曜ドラマ『ドロ刑 -警視庁捜査三課-』の物語のパターンはこの2つに分類でき、これまでのエピソードは第1話の煙鴉(遠藤憲一)との出会いを含めれば、ちょうど交互に展開してきたということになる。しかし11月10日に放送された第5話は、その両方のパターンを併せ持った形となっただけでなく、各キャラクターの方向性も安定しており、これまでのエピソードでもっとも理想的な形になったのではないだろうか。

 殺人などの凶悪事件を追う刑事部の花形である一課から、窃盗犯専門の三課に飛ばされてきた皇子山(中村倫也)が、一向に13係に馴染もうとしないことに困りあぐねた鯨岡(稲森いずみ)は、斑目をまんまとおだてて皇子山の調査をさせることに。そんな中、煙鴉の身辺調査に躍起になっていた皇子山は、煙鴉を尾行している途中で老人が殺されているのを発見してしまうのだ。

 今回のエピソードのクライマックスで、酔い潰れた斑目に皇子山が明かす煙鴉との因縁。間の抜けた13係の面々と一線を画す皇子山の存在は、このドラマのサスペンス的な要素、つまりいまだにミステリアスな雰囲気に包まれた煙鴉という存在を解き明かす重要な役割を果たすというわけだ。これまで刑事ドラマでありながらも殺人描写が一切なかった本作で、とうとう描かれた殺人描写とともに、はやくも第5話にしてドラマ全体のストーリーが大きな動きを見せたと考えてもいいだろう。

 一方で、斑目が所轄刑事から受けた接待によって空き巣の常習犯“白昼の蝙蝠”こと東村洋介(三遊亭好楽)をターゲットに定めた13係だったが、東村の足が悪いことが発覚し、ガセネタをつかまされたことに気が付く。東村のヤサを張り込んでいた部屋の撤収をさせられることになった斑目は、そこで東村のある行動に疑問を抱く。そして、ひょんなことから東村と仲良くなり、家に入り浸るようになる。

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