爽やか王子、中二病、ギャップ男子……吉沢亮は役者人生をスターダムに駆け上がる
頼のような役は、ふとしたときにギャップを見せるような大幅な変化が必要な芝居になる。そこに吉沢は、声のトーンや表情のバリエーションで見事に抑揚をつけていた。普段は怯えたような表情や暗い顔が多い頼が、メガネを外すとミステリアスなクールビューティーに変貌する姿は、簡単に表現できるものではないだろう。吉沢の持ち前のルックスの良さはもちろん、同一人物を演じながらもオーラを放ち分ける器用さが頼の魅力をさらに増幅させた要因だ。
先週の10月12日には映画『斉木楠雄のΨ難』のテレビ放送もあり、吉沢がいかに、普段からバリエーション広い役柄を演じているかがわかるタイミングだった。吉沢にとっては良い流れでキャリアを積めているだろう。地味な役である『あのコの、トリコ。』での吉沢も、告白シーンとキスシーンは多くの女性をトリコにするであろう表情を見せている。また、ふとした時に上半身裸で演じる”体当たり”なシーンもある。吉沢のファンにとってはたまらない作品になるだろう。
■Nana Numoto
日本大学芸術学部映画学科卒。映画・ファッション系ライター。映像の美術等も手がける。批評同人誌『ヱクリヲ』などに寄稿。Twitter
■公開情報
『あのコの、トリコ。』
全国公開中
出演:吉沢亮、新木優子、杉野遥亮、水上剣星、大幡しえり、内田理央、古坂大魔王、高島礼子(友情出演)、岸谷五朗
原作:白石ユキ『あのコの、トリコ。』(小学館 Sho-Comi フラワーコミックス刊)
監督:宮脇亮
脚本:浅野妙子
配給:ショウゲート
(c)2018 白石ユキ・小学館/「あのコの、トリコ。」製作委員会
公式サイト:toriko-movie.jp