加藤シゲアキ、“天才勝負師”として覚醒へ 『ゼロ 一獲千金ゲーム』手越祐也との勝負が決着

『ゼロ』加藤シゲアキ、天才勝負師として覚醒

 自身の正義感を一切崩さない零に、「ザ・アンカー」の参加者であるヒロシ、ユウキ、そしてMCの小太郎は感化された。ゲーム序盤で恐怖心や焦りを見せていたヒロシは、「国旗に星が描かれている国を述べよ」という難題を冷静に正答へ導く。ユウキは「賞金が手に入らない限り、自分の命はどうでもいい」と考えていたが、零の信念に触れたことで「君に次(の問題)を託すよ」と零に“信頼”を見せるようになる。小太郎はゲームを出題する中で、自身の悲惨な過去を零に暴かれ、感情をかき乱される。彼の暴走は結果として墓穴を掘ることとなり、「ザ・アンカー」は零、ヒロシ、ユウキの勝利で終わる。彼らが零に見せた感情の変化は、零が「王の座」に近づいていることを表していた。

 第1話から第7話までの間に、零は人として力強い成長を見せている。原作では、ニコニコとした笑顔にどこか得体の知れない雰囲気を醸し出す零。加藤が演じる零には、原作のような得体の知れなさは感じられないが、「人々を助けたい」という正義感はすんなりと伝わってくる。加藤の迷いないまっすぐな目、ハキハキとした台詞回しが、現代の義賊である零の姿を嫌味なく映し出している。「正義と悪」という定番のテーマではあるものの、信念を曲げない零とそんな零に信頼を寄せていく仲間の様子を見ると、悪(在全)に打ち勝つ定番の結末を素直に望んでしまう。在全がそう簡単に彼らを勝たせるとは思えないが、サバイバルゲームに勝ち抜く彼らの姿に期待が高まる。

 なお第7話では、原作者である福本伸行が、手越演じる小太郎を連行するSP役としてゲスト出演していた。茶目っ気のある演出に思わず笑顔になってしまう。義賊仲間のコミカルな姿もそうだが、時々フッと笑ってしまう演出を挟んでくるからこそ、緊迫した心理戦が際立つのかもしれない。

20180828-zero-7
20180828-zero-8
20180828-zero-11
20180828-zero-2
previous arrow
next arrow
20180828-zero-7
20180828-zero-8
20180828-zero-11
20180828-zero-2
previous arrow
next arrow

■片山香帆
1991年生まれ。東京都在住のライター兼絵描き。映画含む芸術が死ぬほど好き。大学時代は演劇に明け暮れていた。

■放送情報
『ゼロ 一獲千金ゲーム』
日本テレビ系にて、毎週日曜22:30〜
出演:加藤シゲアキ(NEWS)、間宮祥太朗、小関裕太、加藤諒、岡山天音、杉野遥亮、佐藤龍我(東京B少年/ジャニーズJr.)、ケンドーコバヤシ、梅沢富美男、小池栄子
原作:福本伸行
脚本:小原信治
演出:丸谷俊平
チーフプロデューサー:西憲彦
プロデューサー:櫨山裕子、秋元孝之
制作協力:オフィスクレッシェンド
(c)日本テレビ
公式サイト:http://www.ntv.co.jp/0/

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる