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『オーシャンズ8』で描かれなかった“宝石とドレス”の秘密 カルティエに隠された悲しき恋物語

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カルティエの至宝「トゥーサン」の名前の由来は?

 『オーシャンズ8』が奪うダイヤモンドネックレス「トゥーサン」は1億5,000万ドル(約165億円/1ドル=110円換算)もの価値があるカルティエの至宝。このダイヤモンドは現実には存在しない架空のジュエリーなのですが、「トゥーサン」という名前は、ある実在の女性にちなんでつけられたものなのです。

 1933年に、創業者の孫ルイから直々にカルティエのハイジュエリー部門の最高責任者として指名されたジャンヌ・トゥーサンがその女性。ジャンヌ・トゥーサンは1877年にベルギー・ブリュッセルのレース職人の娘として生まれました。個性的な装いに包まれたスリムでブルーの瞳をもった、ショートカットが似合う非常に魅力的な女性だったのだとか。

 16才になったジャンヌは地元で侯爵家の息子と恋に落ちます。ですが、身分違いを理由に結婚を反対されて、若い二人はパリで同棲を始めました。1800年代末から1900年代初頭のパリは、ピカソ、モディリアーニ、ニジンスキー、ココ・シャネルなど才能溢れる若いアーティストが積極的に活動する、輝かしい未来が感じられる街。ジャンヌと恋人はパリで刺激的な日々を送っていましたが、やがて、彼はほかの女性のもとへと走ってしまったのです。

 生活費を稼ぐためにバッグを制作し始めたジャンヌは、その大胆な感性で周囲を驚かせます。ある日、知人の紹介で出会ったカルティエの創業者の孫、ルイ・カルティエは、ジャンヌの才能を見抜き、カルティエのメゾンで働くように誘いました。ジュエリーの知識をルイから吸収したジャンヌは、ルイの右腕として大切な存在に。二人の仲は恋人同士にまで発展し、ルイはジャンヌと結婚しようとしました。

 ところが、またもや、家柄が釣り合わないとルイの家族から結婚を反対されてしまいます。モダニズムが台頭し、階級社会から大衆社会へと移行しつつあった当時でも、階級によって人々は分断されていたのです。ハンガリー貴族の女性と結婚したルイを、それでもビジネス面でサポートし続けたジャンヌ。1933年、心臓病を患ったルイは、自分の亡き後もジャンヌにカルティエを任せたいとハイジュエリー部門の最高責任者に抜擢しました。そして、結婚には反対だったルイの家族も大賛成したのだとか。

 その生涯をカルティエに捧げたジャンヌ。彼女のニックネーム「パンテール(豹)」をモチーフに様々なジュエリーや時計「パンテール ドゥ カルティエ」が作られ、「ジャンヌ・トゥーサン」というバッグコレクションも誕生したほど、いまやカルティエを象徴するアイコンとなりました。

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