クリストファー・マッカリーが語る、『M:I』の醍醐味 「ストーリーの中でアクションが生まれる」
「ストーリーは誰1人知っている人がいなかった」
ーートム・クルーズのアイデアで生まれたアクションはどれぐらいあったんでしょう?
マッカリー:トムが最初から絶対にやりたいと言っていたのはヘリコプターチェイス。スカイダイビングのヘイロージャンプのシークエンスも、トムと「いつかやりたいね」とずっと前から話し合っていて、ストーリーを作っていく中で「ここで入れるのはすごくいいかもしれない」ということになって入れたんだ。スカイダイビングのシーンはストーリーにおける必要性で生まれたものだけど、それによってストーリー自体も大きく変わっていったよ。
ーー『ローグ・ネイション』での経験は今回の『フォールアウト』にどのように活かされましたか?
マッカリー:『ミッション:インポッシブル』シリーズは三幕構成になっているんだけど、第3幕にはIMFのチームメンバー全員が揃っていないといけなくて、それをどうすればいいのかを『ローグ・ネイション』で学んだよ。簡単に聞こえるかもしれないけれど、どうしてみんなが集まっているのか、それぞれがどういう役割を果たすのか、そして今回は特にジュリアを第3幕に出すための理由も必要で、そういう全ての必然性を考えるのはものすごく難しかった。第3幕では、それまでに起こったいろんな問題を全て解決しないといけなかったけれど、本当に解決できるかどうか分からなかったし、撮影の数日前まで解決策が分かっていないときもあったぐらいだよ。
ーー撮影しながら決めていったというわけですね。
マッカリー:僕自身、誰がどこで何をすべきかという大体のアイデアはあったけど、具体的なものは直前になって決めたんだ。でも、ロケ地は確保してあるし、スケジュールも決められていたから、ストーリーがどうなるのかちゃんと分かっていなくても、とにかく撮影するしかなかった。『ローグ・ネイション』で学んだもうひとつのことは、いつ、どこで、どういう要素が必要で撮影を行うかをスタッフが知ってさえいれば、きちんと準備はできるということ。たとえ脚本が完成していなくても、彼らはそれぞれの役割をきちんと果たしてくれるんだ。だから今回、スタッフは完成した脚本を一度も読まずに撮影しているよ。そして完成した作品を観たみんなは、「こういう映画を作っていたんだ」「こういうストーリーだったのか」とびっくりしていたよ。ストーリーがネットにリークされなかったのは、僕たちがあえて秘密裏にしていたというわけではなく、誰1人知っている人がいなかったからなんだ。結果的にとてもいい方法だったと思っているよ。
(取材・文・写真=宮川翔)
■公開情報
『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』
全国公開中
出演:トム・クルーズ、サイモン・ペッグ、ヴィング・レイムス、レベッカ・ファーガソン、アレック・ボールドウィン、ミシェル・モナハン、ヘンリー・カヴィル、ヴァネッサ・カービー、ショーン・ハリス、アンジェラ・バセットほか
監督・製作・脚本:クリストファー・マッカリー
製作:J・J・エイブラムス、トム・クルーズ
配給:東和ピクチャーズ
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公式サイト:http://missionimpossible.jp/