『ゆずりは』インタビュー
柾木玲弥が語る、一つの役への捉え方の変化 「与えられる役割を見つけて、求められる俳優に」
「葬儀社を通して人の成長が描かれている」
ーーもともとのイメージと実際に演じてみて、葬儀社に対する捉え方に変化はありましたか?
柾木:僕自身は当初、葬儀社というものは全く触れたこともない分野で、全然知りませんでした。「こういう仕事をされている方がいらっしゃるんだ」という次元から作品に入っていって、撮影で実際の「安宅」という葬儀場を使わせていただいたり、「安宅」で実際に働いている社員の方ともお話して、こういう気持ちでお送りしたいとか、葬儀社としての信念というのものを初めて知ることが出来ました。
ーー葬儀社と聞くと、どうしても暗い作品というイメージを持たれがちですが、今回の作品はどうですか?
柾木:僕自身、「葬儀社の話」と聞いたときに、台本読む前は重くて暗い話なのかなと思っていましたが、実際は死をテーマにしているので軽くはないですけど、最後にはちょっと温かい気持ちになるような作品だなと感じました。これまで、あまり葬儀社をテーマにした作品は観ていませんが、『ゆずりは』は葬儀社を通して人の成長が描かれている作品だと思います。高梨が主人公の水島のことを動かして、みんなをどんどん動かしていって、社長の意思がみんなに受け継がれていって、高梨自身も成長して……。成長、そしてつながりについての大切なメッセージがご覧いただいた方に届いたら嬉しいです。
「本当に求められる俳優になりたい」
ーー高梨のように、柾木さん自身もこの作品撮り終えて役者としての変化もあったのでは?
柾木:芝居について、難しい役を乗り越えたという達成感がありました。そして、この作品以降、自分の中で一つの役に対しての捉え方が変わりました。この役を丁寧に作り上げていけたことがとても影響していると思います。
ーー今後はどんな役者になっていきたいですか?
柾木:まだまだ駆け出しなので、もっといろんな作品やいろんな監督、いろんな役を通して自分が与えられる役割を見つけて、本当に求められる俳優になりたいなと思っています。「この役だったら柾木が良いよね」「この役は柾木が面白くしてくれるよね」と期待されるような俳優になりたいです。僕自身は、高梨のように人に影響を与える人間になりたいとまでは思いませんが、この仕事をしていると人に影響を与える人間にならなければいけないなとも思うんです。僕自身が影響を与えるというよりは、僕が演じている役が存在する作品を通して何かを伝えることが出来たらいいなと感じています。これからも、ご覧いただいた方に、その時間が有意義だったなと思っていただけるような作品を作っていきたいです。
(取材・文・写真=大和田茉椰)
スタイリスト:吉田ナオキ
ジャケット TOMORROWLAND 0120-983-522 49,000円
カットソー(CROSSLEY)LCRテリット事業部 03-6418-0501 18,500円
その他 スタイリスト私物
■公開情報
『ゆずりは』
新宿 K’s Cinema、イオンシネマ板橋ほかにて公開中
監督:加門幾生
脚本:吉田順、久保田唱
出演:滝川広志、柾木玲弥、原田佳奈、高林由紀子、島かおり、勝部演之
原作:新谷亜貴子『ゆずりは』(銀の鈴社刊)
配給:エレファントハウス/アジアピクチャーズエンタテインメント
(c)「ゆずりは」製作委員会
公式サイト:http://eiga-yuzuriha.jp/
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