中条あやみが語る、『覆面系ノイズ』で得た自信 「10代最後にめぐりあえたことを幸せに思います」
中条あやみが主演を務める映画『覆面系ノイズ』のBlu-ray&DVDが6月6日より発売される。白泉社『花とゆめ』で連載中の同名コミックを実写化した本作は、伝えたいのに伝えられない想いを抱える高校生たちが、その想いを歌や音楽にのせて相手に届ける模様を描いた青春ラブストーリー。主演の中条は、「in NO hurry to shout;」のボーカル・アリスとして力強い歌声も披露し、その歌唱力は大きな話題となった。
リアルサウンド映画部では、Blu-ray&DVDの発売を記念し、中条あやみにインタビューを行った。本作で得た役者としての覚悟、10代最後となった作品への思いなど、たっぷりと語ってもらった。
【インタビューの最後には、サイン入りチェキプレゼント企画あり】
“演じる”というよりも“寄っていく”
――映画公開から半年、撮影からは約1年が経ちますが、改めて“歌”が最重要な課題となった本作を振り返っていかがですか?
中条あやみ(以下、中条):人前で歌うのは苦手でしたし、上手く歌える自信もなかったので、「なんでこの役をオファーしていただけたんだろう?」という思いが最初でした。実は撮影中も、自分が歌うことにも慣れなかったぐらいで。
――本作は人気少女マンガが原作です。音楽をテーマにした漫画の場合、読者がそれぞれ歌声を想像している分、単純な実写化以上にハードルがあったと思います。でも、中条さんが有栖川ニノをこれ以上なく体現されていてびっくりしました。「in NO hurry to shout;」(以下、略称イノハリ)のライブシーンもとても格好よかったです。
中条:最高の褒め言葉でうれしいです。チープじゃなくてよかった(笑)。
――劇中でもニノのボイトレシーンがありますが、実際に中条さんも?
中条:撮影に入る半年ほど前からボイトレを始めて、とにかく毎日歌っていました。ニノちゃんの声は、繊細な声なのにすごい力強さがあり、ユズとモモを惹きつけるものでなければいけない。観客の皆さんにも説得力を持って伝えられるかが大切なので、いかに体現することができるか、そのプレッシャーはありました。
――さらに人気少女コミックということで、原作ファンからどう見られるかというプレッシャーもあったかと思います。
中条:わたし自身も好きな漫画の実写映画化が発表されると、「自分の思っていたイメージと……」と思ってしまうこともあったりします(笑)。なので、原作を好きな方にとっては「ニノちゃんだな」と思ってもらえるように、知らない方にとっても、「こんなキャラクターいそう」と思ってもらえるように、“演じる”というよりも、自分がニノちゃんに“寄っていく”感覚が本作ではありました。
――2017年は本作の前に『チア☆ダン~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~』に出演されていますが、こちらもダンス部の部長でダンススキルも要求される難役だったかと思います。でも、それ以上にニノの方が難しかったそうで。
中条:原作がある作品の場合、キャラクターのイメージは必ずあるので、まずニノちゃんに寄っていくことが難しかったです。「自分だったらこういう表情をするな」と思っても、「ニノちゃんは絶対に違う」と考えながら表情を作ってみたり。それは初めての経験でした。
――ニノの自分の想いに真っ直ぐ過ぎる性格は、ともすれば周囲に嫌われかねないほどですよね。でも、打算があって行動しているわけではないから不思議と許せるというか。そのバランスは演者として難しかったのでは?
中条:作品を観た女性から「ぶりっ子」「思わせぶり」と思われるような人物にしたくないと思っていました。ニノのユズやモモへの想いも、子供の頃に受け取ったものをずっと大切にしてきて、それが衝動的な行動につながっているからだと。途中からは演技としてではなく、いかに自分がニノとしていられるか意識していたところはあります。