中村倫也、4作品同時出演で知名度急上昇へ タイプの異なるキャラ演じきるカメレオン俳優ぶり
NHKの連続テレビ小説『半分、青い。』に先週から登場し、いきなり猫のミレーヌとの絡みで視聴者に癒しを与えてくれた中村倫也。現在、『崖っぷちホテル!』(日本テレビ系)にも出演している彼は、公開中の映画『孤狼の血』、Hulu×HBO Asia共同製作ドラマ『ミス・シャーロック/Miss Sherlock』(配信中)と売れっ子ぶりを発揮している。
業界内では早くから注目を集める存在だったが、一般的知名度はそれほどでもなく、『アオイホノオ』(テレビ東京・2014年)、『ファーストクラス(第2期)』(フジテレビ系・2014年)を観ていた人は、「この人は誰なんだろう」と気になっていた人もいるかもしれない。しかし、2005年に19歳でデビューしたことを考えると、それでも十分遅咲きだと言えるだろう。
そんな彼は一躍注目を集めたのは、冷酷な詐欺師・神堂大道を演じた『闇金ウシジマくん Part3』(TBS系)。親切な顔をして女性に近づき、その女性だけでなく、家族を洗脳し、一家を破滅に追いやっていくサイコパスぶりは、いい人のふりをしていた前半とのギャップも相まって、視聴者に強烈なインパクトを与えた。そして、それは主演の山田孝之の存在を脅かすほどの怪演だった。
だからこそ、福田雄一監督と組んだ『スーパーサラリーマン左江内氏』(日本テレビ系)に出演している彼を観たときには驚かされた。このドラマで中村が演じたのは、ムロツヨシが演じる小池刑事の相棒ともいえる警察官の刈野。その“刈野”という名前の通り、アドリブでボケを繰り広げるムロのツッコミ役で、中村自身が以前インタビューで言っていた「僕は小動物顔」という言葉そのままに、小動物系のかわいらしさを漂わせていた。まさに『闇金ウシジマくん』とは真逆のキャラクターで、「中村倫也という人間は何人いるのか」と思ってしまうほどのカメレオン俳優ぶりを見せていた。
さらに、彼がカメレオンぶりを発揮したのが、ドラマ『ホリデイラブ』(テレビ朝日系)。中村はこの作品で独占欲の強く、冷酷なDV男を演じたのだが、それと同時期に上野樹里と共演し、頼りないけど優しすぎる夫を演じていたダイワハウス D-roomのCMが放送されていたことから、「とても同じ人とは思えない」と評判に。たしかに『ホリデイラブ』ではクールなメガネ姿のドSキャラ、対するCMでは寝起きのようなボサボサ頭で、それこそ小動物系のかわいらしさを見せていたのだから、それが同じ人だと気づかないのも仕方がない。