第4話では少なめに 『モンテ・クリスト伯』ディーン・フジオカ登場シーンの絶妙なバランス
真海が10年以上の歳月をかけて撒いた復讐の種がようやく芽を出し始めた第4話は、主役であるディーンが脇に徹したのが特徴的。そのおかげで復讐相手と家族たちのキャラクターが浮き彫りになり、神楽、入間、幸男の背景と弱点が徐々に明らかになっていった。留美の近親相姦は入間への復讐の第1歩として利用された一方で、神楽と幸男は互いの首を締め合うことで真海の作戦に関わっていく。
第3話で官能的なラストを見せ、“お預け状態”だったディーンファンにとっては少々物足りない回だったことだろう。しかし、ここであえて主役の出番を激減させたのは、真海のスマートさを顕著に描くために必然だったように思える。実際に、各キャラクターが自発的に取ったと思い込んでいる行動は、真海にとって想定内の出来事に過ぎなかった。序盤の段階で黒幕が出しゃばると面目が立たないので、待ち受けるトドメの衝撃を確実に打つためには、影でじっと待ち相手の様子を伺うのが妥当だ。
ところで、新井浩文が密かにTwitterで行っているリアルタイム実況が結構おもしろい。今回神楽エステートのライバル会社とCM契約を結ぼうとする幸男の元に神楽が尋ねるシーンがあったが、新井は「じゃーな」と去るシーンを「じゃーね」と言い間違え、NGを出してしまったことをツイートで明かしている。今後ストーリーは泥沼化していくこと間違いなしだが、役柄とのギャップも相まって彼のツイートがオアシス的役割を担ってくれるかもしれない。
(文=阿部桜子)
■放送情報
木曜劇場『モンテ・クリスト伯 ―華麗なる復讐―』
フジテレビ系にて、毎週木曜22:00~22:54放送
出演:ディーン・フジオカ、大倉忠義、山本美月、高杉真宙、葉山奨之、岸井ゆきの、渋川清彦、桜井ユキ、三浦誠己、新井浩文、田中泯、風吹ジュン、木下ほうか、山口紗弥加、伊武雅刀、稲森いずみ、高橋克典
原作:アレクサンドル・デュマ『モンテ・クリスト伯』
脚本:黒岩勉
プロデュース:太田大、荒井俊雄
演出:西谷弘、野田悠介
(c)フジテレビ
公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/MONTE