Sexy Zone 佐藤勝利のメモリアルな作品に? 『Missデビル』“新入社員”役がハマる理由

 2016年、舞台『JOHNNY’S ALL STARS ISLAND』で、佐藤は最愛の父親が亡くなったことをセリフに取り入れ、ドキュメント作品にしたことでも話題を呼んだ。「勝利って名前をつけてくれた父さんのためにも、負けるわけにはいかねーんだよ。俺の父さん、死んじゃった……本当に死んじゃったんだよ……」絶叫するように発したセリフは、演技と本音の境目がほとんどない。人生の根底にある逃れられない哀しみや憂いを、佐藤は演技という形で昇華しているように見えた。

 昨シーズン、嵐の松本潤主演『99.9-刑事専門弁護士- SEASON II』(TBS系)に、尾崎舞子(木村文乃)の弟・雄太として出演した際も、姉のキャリアを守ろうとした結果、冤罪に巻き込まれるという不遇の青年を見事に演じきった。実際に姉と兄を持ち、家族との絆が強い佐藤だけに「俺のこと信じてなかったってことだろ。俺はそれが一番つらかったんだよ!」と涙を浮かべて訴えるシーンは、真に迫るものがあった。佐藤の演技は、自身の経験や感覚とリンクして、強烈な化学反応を起こすのだ。彼が経験を積み重ねるほどに、その演技の幅は広がりを見せていくに違いない。

 佐藤がいわゆるビジネスパーソンを演じるのは、『Missデビル 人事の悪魔・椿眞子』が初めて。佐藤は現在21歳。同世代の大学生は就職活動に挑む時期だ。彼がパーソナリティを務めるラジオ『VICTORY ROADS』(bayfm)では、「自分の気持ちって思った以上に伝わらないから。文言だけでいうよりも、感情で言わないと面接官に響かないと思うんだ」と語るシーンも。それは、佐藤自身が人に何かを伝える、つまり演技をするときの心構えに近いのかもしれない。着慣れないスーツ、ぎこちない名刺交換……新入社員らしいフレッシュ感は、今のタイミングならでは。そんな初々しい演技が見られる本作は、佐藤の俳優人生にとってメモリアルな作品となるかもしれない。

(文=佐藤結衣)

■放送情報
『Missデビル 人事の悪魔・椿眞子』
日本テレビ系列にて、4月14日(土)22:00より(初回15分拡大)
出演:菜々緒、佐藤勝利(Sexy Zone)、木村佳乃、和田正人、鶴見辰吾、船越英一郎、西田敏行ほか
脚本:山浦雅大、藤平久子
チーフプロデューサー:福士睦
プロデューサー:森雅弘、本多繁勝(AXON)
演出:佐久間紀佳、小室直子ほか
制作著作:日本テレビ
公式サイト:http://www.ntv.co.jp/missdevil/

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「アクター分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる