野間口徹&真飛聖、コミカルさの裏にあるリアリティ 『となかぞ』小宮山夫妻が気になって仕方ない

『となかぞ』小宮山夫妻が気になって仕方ない

「この10年、私1人に子育てさせといて」

 この台詞には、深雪が抱える悩みの全てが詰まっているように感じる。子供を大事に思う気持ちは、真一郎も深雪も変わらないはずだ。しかし深雪には、夫・真一郎との間に分かり合えない壁が出来上がっている。見栄を張り、“幸せな家族”を演じ、他の家庭をけん制する深雪を、好きになれなかった視聴者は多いだろう。しかし、「この10年、私1人に子育てさせといて」というセリフが、くっきりと耳に残って離れない。嫌味のある演技をし、視聴者に衝撃を与え続けてきた真飛だが、深雪というキャラクターのもつ切なさ・どうしようもなさが、この一言に集約されていたように思う。

 ドラマの主人公は深田と松山演じる不妊治療に励む夫婦だ。しかし、第5話を観てから、小宮山夫妻の物語が気になって仕方がない。どうか小宮山夫妻のわだかまりが、最終話までに解けることを願っている。

■片山香帆
1991年生まれ。東京都在住のライター兼絵描き。映画含む芸術が死ぬほど好き。大学時代は演劇に明け暮れていた。

■放送情報
木曜劇場『隣の家族は青く見える』
フジテレビ系にて毎週木曜22:00から放送
出演:深田恭子、松山ケンイチ、平山浩行、高橋メアリージュン、北村匠海、眞島秀和、真飛聖、野間口徹、伊藤かずえ、高畑淳子、橋本マナミほか
脚本:中谷まゆみ
プロデュース:中野利幸
演出:品田俊介、高野舞
制作:フジテレビ第一制作室
(c)フジテレビ
公式サイト:http://www.fujitv.co.jp/tonari_no_kazoku/

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