“30代前半でスペシャリストもの”の成功法則 『アンナチュラル』石原さとみの新境地に期待
30代になった女優が青春ラブストーリーを卒業しどんな役柄を演じていくか、また、どうやって主演のポジションを維持していくかと問われたとき、ひとつの成功パターンとなるのがスペシャリストもの。もはや『科捜研の女』が代表作になった沢口靖子が同作第1シリーズに出たのは34歳のとき。篠原涼子が刑事ドラマ『アンフェア』(関西テレビ・フジテレビ)でヒットを飛ばしたのが32歳。同じく竹内結子が刑事ドラマ『ストロベリーナイト』(フジテレビ)に主演したのが30歳のとき(連続ドラマ版は32歳)。米倉涼子だって松本清張シリーズと共に30代から『交渉人~THE NEGOTIATOR~』、『ナサケの女 ~国税局査察官~』(ともにテレビ朝日)を演じた末、『ドクターX ~外科医・大門未知子~』に行き着いた。しばしば“美しすぎる”という形容が使われるほどの女優には、美人というひとつの高い能力があるゆえにスペシャリストが似合うのかもしれない。
30代に入った石原にはこれまでこの路線でのヒット作がなく、『校閲ガール』にはその可能性があったのに、原作小説と設定を変えてしまったためにスペシャリストものとしては成立していなかった。また、同世代の新垣結衣や戸田恵梨香が『コード・ブルー』(フジテレビ)という人気シリーズを持っていることを考えても、『アンナチュラル』はぜひ成功させたいところ。共演の井浦新、窪田正孝、市川実日子ら、脚本、演出、プロデュース、放送枠、そして主題歌(米津玄師)。どれをとっても正解で磐石の布陣。ヒットとシリーズ化を期待したい。
■小田慶子
ライター/編集。「週刊ザテレビジョン」などの編集部を経てフリーランスに。雑誌で日本のドラマ、映画を中心にインタビュー記事などを担当。映画のオフィシャルライターを務めることも。女性の生き方やジェンダーに関する記事も執筆。
■放送情報
金曜ドラマ『アンナチュラル』
1月12日(金)スタート TBS系にて、毎週金曜22:00〜(初回15分拡大)
出演:石原さとみ、井浦新、窪田正孝、市川実日子、池田鉄洋、竜星涼、小笠原海(超特急)、飯尾和樹(ずん)、北村有起哉、大倉孝二、薬師丸ひろ子(特別出演)、松重豊ほか
脚本:野木亜紀子
プロデューサー:新井順子(ドリマックス・テレビジョン)、植田博樹
演出:塚原あゆ子(ドリマックス・テレビジョン)
製作:ドリマックス・テレビジョン、TBS
(c)TBS
公式サイト:http://www.tbs.co.jp/unnatural2018/