山崎賢人と竹内涼真が初共演! 『陸王』は秋ドラマを牽引するか?
豪華キャストの競演が話題となっている秋ドラマ。中でも注目は、映画やCMに引っ張りだこの山崎賢人と、『過保護のカホコ』(日本テレビ系)麦野初役で大ブレイクを果たし、今ノリにノッている竹内涼真の初共演となる『陸王』(TBS系)ではないだろうか。主人公を演じる役所広司は実に15年ぶりとなる連ドラ主演。原作は、同じくTBS日曜劇場『半沢直樹』『下町ロケット』で大ヒットを飛ばした池井戸潤。さらに、脚本、プロデューサー、演出に至るまで、既出の2作と同じスタッフで挑むというから、期待せずにいられない。
『陸王』は、経営危機に陥る創業100年以上の老舗足袋業者「こはぜ屋」の四代目社長・宮沢紘一(役所広司)が、新規事業としてランニングシューズの開発に挑む企業再生ストーリー。「足袋屋にランニングシューズなんてできるわけない」と反発する息子・大地を山崎、そして、物語のキーを握るマラソン選手・茂木裕人を竹内が演じる。
『花咲舞が黙ってない』(日本テレビ系)、『民王』(テレビ朝日系)など多彩な作風でも知られる池井戸だが、“窮地に立たされたオヤジが、困難に立ち向かう”といったテーマで見ると、やはり今作は『下町ロケット』に近そうだ。そこにはファンタジーなど一切なく、あるのは技術力と人情のみ。だが、歳を重ね、酸いも甘いも経験してきたオヤジの人情には、なぜだか心を動かす力がある。
実際、『下町ロケット』では、阿部寛演じる町工場の社長・佃公平の熱意に導かれ、従業員それぞれがロケットエンジンの部品製造に魂を込める姿は、まるでドキュメンタリーを見ているかのような感動を覚えた。何度踏まれても立ち上がる主人公の人間味、それを信じて結束したチームプレイに、視聴者はグイグイと引き込まれていったのだ。
池井戸ならではの骨太なストーリーに、イケメン俳優というトッピングを加えた今回の『陸王』。ただし、今をときめく若手俳優が名を連ねるとはいえ、竹内は重要プロジェクトのチームリーダー役として『下町ロケット』に出演。ライバルランナー・毛塚直之役の佐野岳も、同作で若手技術者を演じた。そして、茂木(竹内)のチームメイト・平瀬孝夫役の和田正人は『ルーズヴェルト・ゲーム』に野球部員役で出演しており、演技力がものを言う池井戸作品で確かな実績を残してきた実力派たちだ。