山下智久ら、仲間とともに見つけた光とは? 『コード・ブルー』最終回で描かれた“暗闇の先にあるもの”

山下智久ら、仲間とともに見つけた光とは?

 一方で、そんな藤川の元に白石が顔を出し、「藤川先生、ごめんなさい」と深々と頭を下げる。この二日間、彼女はきっと「藤川先生が怪我をしたのは私のせいだ」と自分を責め続け、眠れない“孤独な夜”を過ごしてきたのだろう。また白石は、藤川が冴島にとって“命より大切なもの”であることを知っていた。だからこそ、冴島とした「藤川先生は大丈夫」という約束を破ってしまったことにも自責の念を覚えているはずだ。

 彼女はその責任感の強さゆえに、これまで何度もなんども自分自身に“落胆”してきた。「黒田先生の救命を超える」という目標を胸に頑張ってきていた彼女だが、救命の仲間やフェローたちを通して、「私は私なりの救命をつくっていくしかないんだって分かった」と最後は晴れやかな顔で言っていた。彼女は“落胆の向こう側”に到達したのだろう。そして、視聴者である私たちもまた、白石なりの救命をなるべく早く見たいと願う。

 そして横峯もまた、自分のせいで患者を殺してしまったと自身を責めていた。そんな彼女に「自惚れるな」と声をかける藍沢。「医者は所詮、助かる命しか救えない。手の施しようのない患者を、神のように救うことなんてできない」と続け、「救える命を確実に救う。そのために日々学んでる。それは俺も同じだ」と藍沢らしい不器用な優しさで励ますのだった。藍沢らフライトドクターは最後までフェローや患者たちを“導く者”であり、また同時に白石が灰谷のおかげで“落胆”が吹っ切れたように、フェローや患者たちに“導かれる者”でもあったのかもしれない。

 藍沢たちはきっとまた、先の見えない暗闇に一人たたずむ事態に直面するだろう。だが、そんな時は暗闇を共に歩ける、光を一緒に探すことのできる仲間の存在を思い出す。そしてまた、“暗闇の先にあるもの”に向かって、歩き続けるのだ。

(文=戸塚安友奈)

■放送情報
『コード・ブルー~ドクターヘリ緊急救命~THE THIRD SEASON』
フジテレビ系にて毎週月曜21:00~放送
出演:山下智久、新垣結衣、戸田恵梨香、比嘉愛未、浅利陽介、有岡大貴(Hey! Say! JUMP)、成田凌、新木優子、馬場ふみか、寺島進、杉本哲太、りょう、安藤政信、椎名桔平ほか
脚本:安達奈緒子
音楽:佐藤直紀
主題歌:Mr.Children「HANABI」(TOY’S FACTORY)
プロデューサー:増本淳
協力プロデューサー:中野利幸
演出:西浦正記(FCC)、葉山浩樹、田中亮
(c)フジテレビ
公式サイト:http://www.fujitv.co.jp/codeblue/index.html

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