単なる“リメイク”に終わらない! 独自の“強度”を持った『連続ドラマW コールドケース ~真実の扉~』の魅力

『コールドケース ~真実の扉~』の魅力

海外ドラマの“リメイク”ブーム

(c)WOWOW/Warner Bros. International Television Production

 昨夏、フジテレビが韓国ドラマ『ミセン‐未生‐』を『HOPE~期待ゼロの新入社員~』としてリメイク、昨秋にはNHKがウクライナ製作のクライムドラマ『スニッファー』をリメイク、現在はTBSが韓国ドラマ『ごめん、愛してる』の日本版を放送中であるなど、海外のヒットドラマの日本版を作ることが、ちょっとしたトレンドとなっている。

 当然ながら、海外ドラマを“リメイク”する際には、オリジナルのプロットや役柄をどこまで活かすのか、オリジナルが内包する文化的・社会的、あるいは時代的な背景を、どのように日本の役者とロケーションのなかに落とし込むのか……など、それを新たな“作品”として成立させるための、いくつかの問題をクリアしなくてはならない。大ヒットしたオリジナル版という比較対象があるだけに、その作業は通常のドラマ制作以上にハイリスクであり……ある意味、作り手の“志”や“手腕”が、通常のドラマ以上に問われると言っても過言ではないだろう。

 そんな中にあって、この度ブルーレイ&DVDがリリースされる『連続ドラマW コールドケース ~真実の扉~』(全10回)は、そのひとつの試金石となるような、実に観応えのある作品に仕上げられていた。

オリジナル版は、全米ヒットの人気シリーズ

(c)WOWOW/Warner Bros. International Television Production

 WOWOW開局25周年企画として制作され、昨年10月からWOWOWで放送された『コールドケース ~真実の扉~』。そのオリジナル版である『コールドケース 迷宮事件簿』は、2003年から全7シーズンにわたって放送され、本国アメリカはもちろん世界各国で好評を博した人気ドラマシリーズだ。

 アメリカ東海岸の大都市フィラデルフィアを舞台に、未解決の殺人事件(通称「コールドケース」)を扱う捜査班の活躍を描いたクライムサスペンスである本作。それに先んじて、日本でもドラマ『ケイゾク』(TBS系)が放送され人気を呼ぶなど、“未解決事件の再捜査”というモチーフそのものは、さほど珍しいものではない。

 しかし、『コールドケース』は、冒頭に年代と場所が示され、事件当時の様子が描かれるオープニング、過去と現在で画面の色調を明確に分けるやり方、現在の関係者の姿がふとした瞬間に当時の関係者の姿にフラッシュバックする演出、さらには事件当時のヒットソングをBGMに用いるなど、その時代の風俗や流行を巧みに盛り込んだ回想シーンや、ある程度フォーマット化された構成が、視聴者の支持を獲得。“未解決事件の再捜査”ものとしては、国内外で圧倒的な人気を誇る名シリーズとなったのだ。

BD/DVD【予告編】『連続ドラマW コールドケース ~真実の扉~』9.6リリース

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