瀧内公美&高良健吾『彼女の人生は間違いじゃない』インタビュー 瀧内「脱ぐことが表現の一部だと感じた」

瀧内公美&高良健吾『彼女の人生は間違いじゃない』インタビュー 瀧内「脱ぐことが表現の一部だと感じた」

瀧内「脱ぐのは嫌です。絶対に嫌です。」

ーー瀧内さんは過激なラブシーンにも挑戦されていますが、抵抗はありませんでしたか?

瀧内:うーん……。でも、脱ぐのは嫌です。絶対に嫌です。単純に映画を観ればその人たちだけで成立していますけど、撮影にはたくさんの人がいますから。そう考えるとやっぱり、単純に嫌ですよね。

ーーそれでも挑戦しなければいけなかったと。

瀧内:でもこの作品は、本を読んだ時に脱ぐことが表現の一部だと感じたんです。もちろん、脱ぐことで衝撃を得るという狙いがある役柄でもありますけど、廣木監督は私が見てきた中でそうじゃないところを描く監督だと感じていたので、全然怖くはなかったです。でも、リハーサルの時は脱げませんでしたね。廣木監督に「このシーン脱ぐんじゃないの? やって」って言われても、全然脱げなかったです。それはセリフに関してもそうで。セリフ自体はものすごく少ないのに、全然入ってきませんでした。これまでそんなことは一切なかったんですけど、本当にギリギリまでセリフが入ってこなかったんですよね。それほど自分にとってはチャレンジングな作品になりました。

ーー高良さんは2007年の『M』から数多くの廣木監督の作品に出演されています。高良さんにとって廣木監督はどのような存在ですか?

高良:自分がこの世界にいることが未だに不思議に思うこともあるんですけど、じゃあなぜ今もこの仕事ができているのかを考えた時に、やっぱり廣木さんの存在があるんです。僕自身が役者としてまだまっさらの時に、廣木さんが現場で教えてくれたことを自分が守っていたからかなと思います。ある意味、廣木さんにこの世界に引きずり込まれたとも言える。でも、廣木さんが言っていることをただ鵜呑みにしてやり続けていたら、もしかしたら心が壊れていたかもしれません。今はそうじゃないやり方もだんだん覚えてきたので、廣木さんによって人生を変えてもらったという言い方が正しいかもしれませんね。ただ、廣木さんは大作に僕を呼んでくれないので、「そっちも呼んで」とは思いますけど(笑)。

ーーそれは意外な反応です(笑)。廣木監督の作品の中でも、今回のような作品と少女漫画などが原作の大作は、やっぱり毛色がハッキリと異なっていますよね。

高良:僕は廣木さんの映画の登場人物の切り取り方や動かし方、時間の流れが好きなんです。今回もそういった廣木さんの映画の良さが存分に出ていて、やっぱり優しいなと思いました。それに今回の作品は、福島出身の廣木さんが持つ、福島の現状に対しての怒りも感じました。しかもそれを映画監督ならではの視点で、映画を武器にして表現しているのがすごいなって。映画じゃないとできない表現だと思いました。最初に瀧内さんが言ったように、この作品は説明もないし答えも出さない。それはワンシーンでもそうだし、映画1本を通してもそうなんです。その映画の始まる前を感じることができて、その後も感じることができる。そんな映画になっていると思います。

瀧内:世の中すごく点で見られることが多いじゃないですか。例えば芸能人とかもそうで、何かが起こるとすぐに集中攻撃されてしまう。そこには理由もちゃんとあるはずで、生きてきた血が通っているはずなのに、そこでシャットダウンされてしまう。もちろん芸能人だけじゃないんですけど、いろんなところで見られる結果がすべてみたいなところがある。でも、廣木監督の映画の中では、たとえ間違っていると思われるようなことがあっても、間違えていないんじゃないかなって思えるんですよね。そういう人間の原点みたいなところが見える気がします。それは福島に関してもそうで、見る景色は同じでも、感じ方は人それぞれ違う。この映画は、観ていただく方それぞれに、そういうことを感じていただけるんじゃないかなと思います。

(取材・文=宮川翔/写真=大和田茉椰)

■公開情報
『彼女の人生は間違いじゃない』
ヒューマントラストシネマ渋谷、新宿武蔵野館ほか全国順次公開中
監督:廣木隆一
原作:廣木隆一「彼女の人生は間違いじゃない」(河出書房新社)
脚本:加藤正人
出演:瀧内公美、光石研、高良健吾、柄本時生、篠原篤、蓮佛美沙子ほか
主題歌:meg「時の雨」(Gambit Records)
提供:ギャンビット、ギャガ
配給:ギャガ
R-15
(c)2017『彼女の人生は間違いじゃない』製作委員会
公式サイト:http://gaga.ne.jp/kanojo/

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