ツインテールの神、佐野ひなこの演技力は? 『コードネームミラージュ』女優としての成長

ツインテールの神、佐野ひなこの演技力は?

 ファッションやグラビアモデルとして活躍し、ここ最近は女優として活動の幅を広げている佐野ひなこ。現在、テレビ東京で放送中の本格ハードボイルドドラマ『コードネームミラージュ』では天才ハッカー役に挑戦し、女優として成長した姿を見せている。今回演じている役柄やドラマの魅力について、彼女の経歴を振り返りながら考察してみたい。

 佐野は1994年10月生まれの現在22歳。2012年に発行されたツインテール女子を収めた写真集『晴れのちツインテール』の表紙を飾り、アイドルファンや業界関係者から「あのかわいい子は誰だ!」「美少女すぎる!」と評判に。そこから、ツインテールの魅力を世間に広めるために設立された「日本ツインテール協会」の公式サイト、「放課後ツインテール」にてモデルを務め、“ツインテールの神!”と呼ばれるようになる。2013年7月には『週刊ヤングマガジン』でグラビアデビュー。愛嬌のある笑顔にウエスト51cmのくびれボディというグラマラスなスタイルは「1万人にひとりの逸材!」と世間から絶賛された。2014年に発売された1st写真集『Hinako』は発売1週間で2万部を達成するという異例の売り上げを記録し、グラビアアイドルとしての人気の高さを証明した。

 2014年の『大東京トイボックス』(テレビ東京系)でドラマデビュー。その後、『水球ヤンキース』(フジテレビ系)や『地獄先生ぬ~べ~』(日本テレビ系)などの連ドラに出演し、徐々に女優業へとシフトしていく。そして世間の注目を集めたのが2015年のドラマ『デスノート』(日本テレビ系)の弥海砂役。金髪ツインテールにゴスロリな格好というキャラは佐野にぴったりである。ただ正直、演技力に関してはまだまだと言った意見や、映画版で弥海砂役を演じた戸田恵梨香が好評だっただけに、厳しい声が目立った。女優としてのキャリアが2年弱だったため、致し方ないとも言える。一方で、原作のビジュアルに近いことや、若干不安定な演技がむしろ弥海砂の特異なキャラを引き立たせてもいて、結果的にはハマり役だったと見ることもできるだろう。

 その後は『サイレーン 刑事×彼女×完全悪女』(フジテレビ系)や、『ダメな私に恋してください』(TBS系)、『好きな人がいること』(フジテレビ系)、『咲-Saki-』(TBS系)などで様々な役を演じ、着々とキャリアを積んできた。演技に関してはやはり賛否両論あるが、佐野が登場するとその場がパッと明るく華やかになる。役者として重要な存在感という天性のものを有しているのだ。とは言え、佐野の良さを演技ではイマイチ活かしきれない歯痒さがあり、作り手側も彼女の魅力を引き出すのに苦戦しているように思える。

 そして今回の『コードネームミラージュ』。『サクラ大戦シリーズ』や『魔神英雄伝ワタルシリーズ』などを手掛けたクリエイター広井王子の原案による完全オリジナル作品。警察庁内に組織された特殊部隊「K-13」。「コードネーム:ミラージュ」と呼ばれるトップエージェントを筆頭に、所属するメンバーが法の網の目を潜り抜けた巨悪を処理していく。ノワールタッチでありながら、ハイテクな装備や人工知能を持った車両なども登場し、近未来感も。初回では、人質を救出するために、主人公のミラージュ(桐山漣)が、映画『リベリオン』のクリスチャン・ベールのごとくキレッキレのガンアクションを展開。第2話では、ひたすらカーアクションを繰り広げるという、深夜ドラマとは思えないクオリティの高さとアイデアで視聴者を楽しませた。

 さて、佐野ひなこ演じる木暮美佳子は、通称ドブネズミと呼ばれるK13のエージェントで、数々のサイバー事件を犯した天才ハッカー。刑務所に送られる替わりに警察に協力させられている。ミラージュへ行動を指示し、敵のIDやネットワークだけなく、街の信号までをもハッキング。警察の指令は楽勝と言わんばかりに、ダルそうにパソコンを操作する演技を自然とこなしている。実は、実際にハッカー講習会に行ったり、ハッキングコンテストの優勝者に撮影現場で指導を受けたりしていて、しっかりと役作りをした上での計算された演技なのだ。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「アクター分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる