『美女と野獣』、“ゲイ・モーメント”騒動で上映拒否も 監督・出演者の発言と各国の反応

『美女と野獣』、“ゲイ・モーメント”騒動で上映拒否も 監督・出演者の発言と各国の反応

 コンドン監督のコメントが引き金となり、製作国のアメリカでも「上映拒否」を宣言した映画館もある。保守的で知られる米南部の中でも、最も保守的とされるアラバマ州のとあるドライブイン・シアターだ。同映画館はこの決断への反対意見が出ても「構わない」とし、「神がそばにいらっしゃるのに座って観ていられないような映画は上映しません。セックス、裸、同性愛、汚い言葉遣いを気にすることなく家族みんなで観られる映画を上映していきたい」と固い意志を表明した。これに対し、出演者のユアン・マクレガーはスティーヴン・コルベアが司会を務める『The Late Show』で、「この映画にはゲイのセックスシーンが満載さ!」「アラバマの近くに住んでる人は、観ない方がいい。(もし観たら)神が何て言うかな?」と皮肉の効いたジョークを飛ばし、観客から拍手喝采を浴びた。「ゲイのキャラクターが登場するだけ。全くもう勘弁してよ…今は2017年だよ?」と最後は罵り言葉を用いて、前述のアラバマの映画館が「不可」とする映画の要素すべてを使って笑いを誘った。

 こうして記事を書いている間にも、すでに公開を開始していたクウェートでの上映中止(今後、編集版の上映を示唆)が報じられるなど“ゲイ・モーメント”騒動は一向に収まる気配がない。コンドン監督の“一言”が、国レベルで公開・上映中止にさせるような大事になるとは、さすがに監督本人も予想外のことだっただろう。幸い、『美女と野獣』の日本でのレーティングは「G」で、子どもから大人まで誰もが観られる作品として扱われている。

■賀来比呂美
ライター/編集者。大学で映画学を専攻。海外セレブ情報誌の編集者を経て、現在、「シネマカフェ」、「Petomorrow」などで執筆。好きな監督はウェス・アンダーソン、好きなものは映画、海外ドラマ、お酒、犬猫。

■公開情報
『美女と野獣』
4月21日(金)全国公開
監督:ビル・コンドン
出演:エマ・ワトソン、ダン・スティーヴンス、ルーク・エヴァンス
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
(c)2017 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.
公式サイト:http://www.disney.co.jp/movie/beautyandbeast.html

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「映画シーン分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる