三浦友和、“一家の大黒柱”役がハマる理由 『就活家族』と『葛城事件』の共通点を探る

 俳優の中には、もっと肩の力が抜けていて、家族のありかたの変化をすんなり受け入れる役が似合うタイプのものもいるだろうし、家族はいても、そこに重きをおかず、アウトロー的に生きる父親像が似合う人もいるだろう。個人的には、前者は中井貴一であり、後者は役所広司をイメージしている。そして、三浦は家族の大黒柱としてどっしりと存在しているのが似合うタイプの俳優に見える。故にそれが崩壊した姿を演じると、妙に引き込まれるものがある。

 昨今の家族の形は、どんどん変化しているし、『就活家族』や『葛城事件』のように、かつて描いていた理想のようにはいかないと感じている人も程度の差はあれ多いことだろう。そんな現代の理想と現実の狭間で感じる戸惑いを体現できるのが三浦友和という役者であるから、2016年から17年にかけて、立て続けに当たり役に恵まれているのではないだろうか。

■西森路代
ライター。1972年生まれ。大学卒業後、地方テレビ局のOLを経て上京。派遣、編集プロダクション、ラジオディレクターを経てフリーランスライターに。アジアのエンターテイメントと女子、人気について主に執筆。共著に「女子会2.0」がある。また、TBS RADIO 文化系トークラジオ Lifeにも出演している。

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