『スプリング、ハズ、カム』公開に寄せて
E-girls・石井杏奈が語る、女優とパフォーマーの両立 「どちらも挑戦するたびに発見と勉強がある」
「監督から期待される以上のものを返したい」
――女優のときと、E-girlsのパフォーマーのときと、表現に対する考え方は変わるものですか?
石井:意識したことはなかったんですが、今思うと違うかもしれませんね。お芝居をするときは、監督がおっしゃってくださったことを守りつつ、期待された以上を返したいって思っているかもしれません。映画館にもよく行くので「このトーンは聞き取りやすいな」とか、自分がいつも感じている部分を反映させています。それに対して、E-girlsのときはみんなで合わせて一つのものを形にすることを一番に考えていますね。自分の感情を出していくというよりは、E-girlsという完成形を目指していく感じです。どちらも挑戦するたびに発見と勉強があるので、私にとっては両方とも大事なんだと思います。
――表現の幅を広げるために努力していることは?
石井:お芝居って、自分の人生で経験していないことも演じられるところが魅力的だなって思うんです。一人暮らしをする女の子という意味で、今回は役柄との共通点が多かったんですけど、厳密に言えば広島県出身でもなく、大学にも行くわけではないし、お父さんとお散歩することもあまりないんです(笑)。そういう経験してないことって、演じる上で難しい部分だと思うので、本や映画をたくさん見てできるだけ疑似体験をしていこうと思っています。そう考えると、興味を持つのも自分と同じ女子高生が主人公の作品が多いですね。自分が、この主人公だったら、こんな風にセリフを言うかな……なんて、考えたりもしますね。あ、いや、これは自己満足です、完全なる自己満ッ(照)!
――いえいえ、その夢どんどん叶えてください! 先ほど、お父さんとは散歩しないと言っていましたが、石井家の父娘関係はどんな感じですか?
石井:一人暮らしをしてからのほうが仲良くなったように思います。中学時代は反抗期もあって、うまく距離をつかめなかったんですけど、今はもうお母さんとお父さんと私でランチに行くこともあるくらい。距離が保たれた分、心が近づいたという感じですね。でも、この映画を撮影中に、もっと親孝行したいなって思いました。作品が完成したとき、お父さんとお母さんと3人で試写を見て、「また公開したら観に行く」って言ってくれたので、少しは親孝行できたのかなって、うれしくなりました。
(取材・文=吉梅明花 撮影=池村隆司)
■公開情報
『スプリング、ハズ、カム』
2017年2月18日(土)より新宿武蔵野館にて公開、2月25日(土)より渋谷ユーロスペースにて公開
出演:柳家喬太郎、石井杏奈、朴璐美、角田晃広(東京03)、柳川慶子、石橋けい、平子祐希(アルコ&ピース)、ラサール石井、山村紅葉
監督・脚本・編集:吉野竜平
脚本:本田誠人(ペテカン)
製作:テトラカンパニー/メディア・トレーディング
配給:エレファントハウス
2017年/日本/102分/ビスタ
(c)『スプリング、ハズ、カム』製作委員会
公式サイト:springhascome.xyz