全席プレミアシート、しかも追加料金なし! アメリカ映画館の最新事情レポート

アメリカ映画館の最新事情をレポート!

通常料金で豪華シートが楽しめる!

20161218-SanFrancisco-sub23.jpeg
Westfield San Francisco Centre

 次に向かったのは、サンフランシスコのダウンタウンに位置するショッピングモール「Westfield San Francisco Centre」内にある映画館「Century San Francisco Centre 9 and XD(Century Theatres)」。「Westfield San Francisco Centre」は、bloomingdale’sやNordstromといったアメリカで有名なデパートや、たくさんのブティックが入った大型モールだ。

20161218-SanFrancisco-sub21.jpeg
「Century Theatres」

 この映画館は、料金が時間帯によって変わるシステム。平日は午後6時まで、土日祝は午後2時までの上映回が、一般$11.75(約1350円)。午後6時以降の上映回は、平日$13.50(約1550円)、土日祝$14.00(約1600円)といった料金体系だ。これは日本にはあまりないシステムで、なかなか興味深い。

20161218-SanFrancisco-sub20.jpeg
「Century Theatres」のLuxury Loungers
20161218-SanFrancisco-sub15.jpeg
「Century Theatres」のLuxury Loungers

 そして何よりも驚いたのが、その座席だ。この「Century Theatres」は、「リーガル・エンターテインメント・グループ」、「AMCシアターズ」に続く、米国3番手の興行チェーン「シネマーク・シアターズ」の系列。「シネマーク・シアターズ」では、Luxury Loungersというリクライニング式のシートを導入しており、この「Century Theatres」では全スクリーン、全座席がLuxury Loungersになっていた。TOHOシネマズ六本木ヒルズなどに導入されているプレミア ラグジュアリー シートに近い、フットレストの付いた革製の電動リクライニングシートだ。TOHO シネマズでは、このプレミア ラグジュアリー シートに座るには、鑑賞料金に3000円の追加料金を支払わなければいけないが、「Century Theatres」においては追加料金一切なし。前後の座席とも十分すぎるほどの間隔があり、日本ではなかなか味わえない座り心地の良さを感じることができた。ロサンゼルスやニューヨークなどの大都市でも、このようなプレミアシートの導入が増えているようだ。

20161218-SanFrancisco-sub16.jpeg
「Century Theatres」劇場内の様子
20161218-SanFrancisco-sub17.jpeg
「Century Theatres」劇場内の様子

 ちなみに筆者が「Century Theatres」で鑑賞したのは、ゴールデングローブ賞をはじめとする賞レースで話題沸騰の『Manchester by the Sea』。主演ケイシー・アフレックのキャリア史上最も迫真に迫る演技と、どこまでもオリジナルな話運びに驚嘆。日本では2017年に公開される模様なので、激しくオススメしておくことにする。

 日本でも、先日12月16日にリニューアルオープンした新所沢レッツシネパークが話題だ。3種類のプレミアシートが通常料金で楽しめるという。IMAXや4DX、MX4Dなどの上映システムはもちろん、今後はプレミアシートなどの鑑賞環境の向上が、映画興行におけるひとつのトピックになるかもしれない。

(取材・文=宮川翔)

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「映画シーン分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる