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『真田丸』は壮大なラブストーリーだ! 結末を知りながらも見守りたい、三谷脚本の凄さ

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 若手の脚本家・演出家として活躍する登米裕一が、気になる俳優やドラマ・映画について日常的な視点から考察する連載企画。第15回は、最終回目前となったNHK大河ドラマ『真田丸』について。(編集部/メイン写真=提供NHK)

 NHK大河ドラマ『真田丸』が好調なまま終盤を迎えている。本作は普段、大河ドラマを見ない若年層からも人気があるようで、今見ているドラマを尋ねると『地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子』(日本テレビ系)と『逃げるは恥だが役に立つ』(TBSテレビ)に続いて、『真田丸』と答える声をよく聞く。

 なぜ本作は、幅広い層から支持されているのだろうか。一見すると、『真田丸』と他の二作はまったくの別ジャンルに思えるが、広い意味ではどれも非常に優れたラブストーリーだからではないかと考えている。

 ラブストーリーは、基本的にカップルが「別れるまで」か「付き合うまで」を描く。そして、面白いドラマであればあるほど、カップルの関係性の変化に意外性がある。別れそうにない2人が別れ、付き合いそうにない2人が付き合うのだ。そのドキドキとハラハラを、我々は楽しむわけである。

 『逃げ恥』では、感情を伴わないはずの“契約結婚”から始まった男女が、次第に恋愛感情を育む様を描いた。一方の『校閲ガール』では、男女が認め合っているからこそ、最終的に“付き合わない”という結末にたどり着いた。

20161210-sanadamaru-3.jpg提供=NHK

 では、『真田丸』はどうか? 武田家の重臣・穴山梅雪(榎木孝明)は、史実で武田家を裏切る。しかし第一話では、最も武田家を愛している家臣として描かれ、まさか別れるとは思えないような流れだった。主人公である真田幸村(堺雅人)の兄・信之も、史実では徳川家と共に歩んで行くのだが、ドラマではギリギリまで「絶対に真田家に残るだろう」と思わしめる描き方をしていた。いわゆる恋愛とは異なるものの、愛し合っているもの同士が別れ、思いがけない組み合わせが誕生するところは、優れたラブストーリーと共通しているのである。

 もちろん、『真田丸』では男女の恋愛模様も、意外なかたちで描かれる。史実では、真田幸村はきり(長澤まさみ)を側室に迎えるのだが、ふたりは最も付き合いそうにない組み合わせとして描かれてきた。きりは幸村に惹かれるものの、空気の読めない発言をし、出しゃばり、邪魔ばかりする。ドラマの序盤では、視聴者は一緒になるべきではない女性として、彼女を捉えていたことだろう。

 また、幸村は全50話の中で様々な女性を妻にするのだが、きりはそんな彼に寄り添い続け、30年の時を共に過ごす。物語の終盤、きりは女性としてなにかを諦め、悟り、無欲となっていく。そしてそんなきりこそが、幸村にとっても最も必要な存在となっていくのだ。長い時間をかけた、ラブストーリーの着地点である。

      

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