A.B.C-Zの“A.B.C-Zらしさ”とは何か? 主演舞台『ABC座2016』に見る3つのポイント

【3】新しいチャレンジが盛り込まれている

 DVDでのデビュー、NGナシなど、ジャニーズにとって新しい試みを行なってきたA.B.C-Z。この舞台の中でも、やはり新しい試みがあった。まず、役どころだ。少年隊・錦織一清が演出する舞台では、戸塚が口上を述べたり、補足説明を行なったりしていたが、今回は河合が担当している。滑舌良く淡々と語る河合の声は非常に聞き取りやすく、ストーリーの理解もスムーズだ。そして、橋本の役柄も新しい。これまでは不器用ながらも一生懸命という役柄が多かったが、今回はかなり頭が切れる役である。台詞回しにも知性があり、とても新鮮だ。橋本の新しい一面を見ることができる。そして、何と言っても五関の役。これまであまりスポットが当たっていなかった五関だが、今回はキーパーソンを務める。ソロで歌ったり、20人以上を斬り倒す殺陣を披露したりと、かなり見せ場が多いのだ。こうして、新しいチャレンジをすることで彼らは成長し続けていくのだろう。

 他にも、少しオーバーで愛嬌のある戸塚の演技や、「一生懸命」を体現している塚田の演技など、恒例とも言える見どころがたくさん詰まっている。公演日程も折り返し地点。ここから千穐楽に向けて、さらにブラッシュアップされていくのだろう。10月後半にもう一度見たいーー『ABC座2016 株式会社 応援屋!!~OH&YEAH!!~』は、そう思わせてくれる舞台であった。

(文=高橋梓)

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「アクター分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる