『ジェイソン・ボーン』ポール・グリーングラス監督インタビュー
『ジェイソン・ボーン』ポール・グリーングラス監督が明かす、『ボーン』シリーズ復活の理由
「『ボーン』シリーズは特別な意味を持つ」
ーー昨今はCG技術の進化に伴い、アメコミ原作映画やSF大作などでアクションの見せ方も大きく変化している中で、あなたの作品におけるアクションには一貫性があるように感じます。
グリーングラス:『ボーン』シリーズのトレードマークであるカット数の多さは、街中を走ったり、敵と戦ったり、ボーンが躍動している場面をテンポよく描くためのものなんだ。それが、人々に気に入ってもらえている一番の理由なのかなと思っているよ。
ーーあなたにとって、『ボーン』シリーズはどのような存在でしょうか?
グリーングラス:私にとって『ボーン』シリーズは非常に特別な意味を持つものなんだ。ジェイソン・ボーンはちょっと変わったキャラクターだからこそ、多くの人に愛されてきているのだと思う。ジェイソンはスーパーヒーローではなく、生身の人間だ。だからこそ観客は、彼が置かれる状況を自分に重ね合わせやすいのではないかな。ジェイソンは孤独で、彷徨い続け、ひとりで闘っているアウトサイダーだが、見知らぬ世界の中で自分自身が定めた規範に従って生きている。でも、心には忠誠心が残っている。そこがポイントなんだ。反対している体制を完全に崩壊させたいと思っている訳ではない。実際、とても愛国心の強い、忠誠心に溢れるキャラクターだ。そして、彼は彼なりに世界を正すために闘う運命を持っているんだ。
(取材・文=宮川翔)
■公開情報
『ジェイソン・ボーン』
公開中
監督:ポール・グリーングラス
脚本:ポール・グリーングラス、クリストファー・ラウズ
キャラクター原案:ロバート・ラドラム
出演:マット・デイモン、ジュリア・スタイルズ、アリシア・ヴィキャンデル、ヴァンサン・カッセル、トミー・リー・ジョーンズ
配給:東宝東和
(c)Universal Pictures
公式サイト:BOURNE.jp