中国4大女優、シュー・ジンレイの品格と知性 大塚シノブが『あの場所で君を待ってる』を観る
今回の映画はプラハを舞台にしたラブストーリーだ。中国人でありながら、韓国の人気アイドルグループEXOのメンバーKRISとして活躍したクリス・ウー演じる、シングルファーザーのチェリスト、パン・ズーヤンと、“素顔の女神”と呼ばれるナチュラルな演技が人気のワン・リークン演じる、ジンティエンとの「現代の恋」。そこに、シュー・ジンレイ演じるジンティエンの祖母ランシンが生涯かけて愛した外国人男性との「過去の恋」が交錯する。2015年中国で公開され、興行成績は初登場1位となった。
プラハの景色は美しく、電灯の灯る夜の石畳はロマンティックなムードを醸し出す。甘さと切なさ、夕暮れの空に包まれるような温もりを感じる。アイドル顔のクリス・ウー効果で一瞬、韓流ドラマを観ている錯覚にも襲われながらも、シュー・ジンレイの人柄がそのまま作品に投影されたような、文学的香りのする、余韻の残る女性的な映画である。
実はシュー姉さんも、以前日本に進出しかけたことがあるが「私はあまり日本では通用しないみたい、日本語も話せないしね。でも英語勉強してる」と言っていたのを思い出した。ちなみに、この映画での彼女の台詞はすべて英語。そして日本で女優として活躍しなくても、こうして自身の監督作品が日本で公開されている。それは映画に懸ける想いと、努力の賜物だろう。
■大塚 シノブ
5年間中国在住の経験を持ち、中国の名門大学「中央戯劇学院」では舞台監督・演技も学ぶ。以来、中国・香港・シンガポール・日本各国で女優・モデルとして活動。日本人初として、中国ファッション誌表紙、香港化粧品キャラクター、シンガポールドラマ主演で抜擢。現在は芸能の他、アジア関連の活動なども行い、枠にとらわれない活動を目指す。
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■作品情報
『あの場所で君を待ってる』
8月27日よりシネマートほかにてロードショー
出演:クリス・ウー(呉亦凡)、ワン・リークン(王麗坤)、
シュー・ジンレイ(徐静蕾)、レイザ(?依扎)、チャン・チャオ(張超) 他
監督:シュー・ジンレイ(『見知らぬ女からの手紙』)
脚本:ワン・シュオ
撮影:リー・ピンビン(『ノルウェイの森』『花様年華』)
配給:コムストックグループ、ミッドシップ
2015/中国/109分/原題:≪有一个地方只有我?知道≫/英題:Somewhere Only We Know
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