プロレスと映画の濃密な関係ーーフィクションとリアルの垣根を壊す名作を振り返る

名作プロレス映画を振り返る

フィクションのようなリアルレスラー、それが飯伏幸太

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 そして『大怪獣モノ』だが、主演する飯伏幸太は皆が認める天才レスラーであり、誰も思いつかないようなアイデアを実践し続ける変態レスラーでもある。新日本プロレスなどのメジャーではキッチリとした試合を見せる一方、古巣の所属団体DDTでは本屋やキャンプ場で試合をしたり(その勇姿は『劇場版プロレスキャノンボール2014』で垣間見える)、空気人形のヨシヒコと名勝負を繰り広げたりと、良い意味でプロレスごっこをプロの世界に持ち込んだ男。最近はケガで休業し所属していた団体を突如辞め、“飯伏プロレス研究所”なるものを立ち上げた挙句、本作への出演である。怪獣とパンツ一枚で戦う構図は普通に見ると変だが、相手を選ばない実に飯伏らしい選択だとも思う。怪獣と戦っている一方で、世界一の団体であるWWEのクルーザー級トーナメントにも出場中である飯伏。きっと怪獣もレスラーも、彼にとっては全てがプロレスの相手なのだろう。『イカレスラー』を作った川崎監督なだけに、かなりプロレス脳が試されるハードな内容ではあるが、フィクションの世界でリアルなプロレスをする飯伏の姿は一見の価値があるといえよう。

(文=本 手)

■公開情報
『大怪獣モノ』
監督:川崎実
出演:飯伏幸太、斉藤秀翼、河西美希、赤井沙希
参考:http://mono-movie.com/

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